観察五日目其の二/ランフォーマネー? いや、今はお金なんていらない
……ガコン?
僕が異音に気がついた時には、格子は床に落ちて大きな音を立てていた。
「「「あ……」」」
僕ら三人の思考は、そこで止まった。
しばし流れる沈黙。
そののち。
「ドン!」
僕らの腕に響く、天井への振動。
「な、なんすかこの音!?」
「長い棒……手元のフサフサしたパーツ……これはモップですね。それでここを突いてきています!」
フォッグさんが、お得意のエコーロケーションで状況を教えてくれる。そしてなおも続く刺突音。
「……あの用務員の仕業か」
僕の言葉に、二人が頷く。
ふと、音が止んだ。
そして……通風口の入り口に掛けられる人の手。僕らは慌ててそこから身を引く。
「ちょっとネズミ捕まえてくる。……そうだ。そこの冷蔵庫に入っている物、基本的に飲み食いしてもいいが、奥にしまったチョコだけは食べるな。酒が入ってるから。それじゃ……フンッ!」
「「え……?」」
「「「え……?」」」
倉田の発言に、赤石燐と夜ノ森響の二人が絶句。そして僕ら三人も絶句。
数秒後。ようやく僕らは身の危険を自覚し、戦慄した。自分の顔が青ざめていくのがわかる。
「「「ひぃぃぃっ!」」」
「こ、こっち上って来るっすよ!」
「とりあえず逃げよう!」
もう、警察のお世話になるのはたくさんだ!
……というかそれ以前に、用務員の倉田がヤバ過ぎる!
こうして、僕らの逃走劇が幕を開けた。
どうも、壊れ始めたラジオです。
らんシェさんとしっちぃさんのチョコレートネタ、せっかくなので使おうと思ったら、とんでもなく雑になってしまいました……。すみません。
早くイチャイチャしないかなぁ……。というかそもそも燐と響の出番が少ない……。
まだしばらく、コメディにお付き合いください。
それでは。