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脳筋達との陽気な日々

 ガザリアに着いたヴァイオレット達は、情報を伝達する魔法で海賊達に襲われていたことを知っていた街の騎士や市民たちに労われながら家への帰路についた。ディーノの実家は海辺にあるため、ディーノとヴァイオレットは砂浜を歩く。ヴァイオレットの足取りは重い。戦闘で疲れたのもある。だが一番の理由は初めてではないが、人の死ぬ場面を目にしたためだ。こればかりは慣れないし、慣れたくもなかった彼女だった。


「ヴァイオレット、背負ってやろうか?お前は軽すぎるぐらいだから気にしなくてもいいぞ?」

「いえ、大丈夫です。お気持ちだけ頂いておきます。」


 夕暮れ時の砂浜に波がうちよせていることすらも今のヴァイオレットにはとても美しく見えた。が、そのムードをぶち壊す7人の人々がいた。そのうちの一人が何かを必死に叫んでいる。声音からして女性のようだ。金髪の長髪が背中で波うち、砂浜で横たわっている者を激しく揺さぶっている。そして次の言葉でヴァイオレットに衝撃が走った。


「兄さん!起きてよ!死んじゃ嫌あ!!」


 旅行者なのだろうか、ここらで見る服装ではなく、王都でよく見るデザインの服を着ている。慣れない海に入り、泳げずに溺れてしまったところを波に打ち上げられたといったところか。


「ディーノ教官!助けに行きましょう!」

「うむ!!人命救助も仕事の内だ!」


 一行に近づくと、泣いている女性と死にかけの男の様子を立ってのぞきこんでいた白髪で褐色の肌を持った初老の男性が、駆け寄る二人の足音に気付いたのかふりかえり、驚きの声を上げた。逆光のため影になって男性の顔が見えなかったヴァイオレットだったが。


「なあ!あんた、ヴァイオレットだろ!?そっちはディーノだな!?」


 その声を聞いてディーノは歓声をあげ、コブノーと抱擁を交わす。ヴァイオレットは喜びと驚きの両方で表情がいっぱいだ。


「えっ!ヴィオ!?ほんとだ、ヴィオだ!!」

「カルハ…なのね?」


 少し見ない間にすっかりと大人びたカルハの背はヴァイオレットと同じぐらいになっていた。白を基調とし、ところどころに小さな花柄の模様の入ったワンピースを着ている。麦藁帽を頭にかぶり、可愛らしいサンダルを履いている。だが、顔は涙でぐしょぐしょだ。


「うん、そうだよ!私達、ここに数日前着いたの。ヴァイオレットをびっくりさせようって思ってたんだけど、お兄ちゃんの姿が今日の朝から見えなくて必死に探してたらこんな所にいたの!しかも目を覚まさないのよ!!」


 だが、カルハとヴァイオレットの知らない女性以外のメンバーは平然としている。なぜかとディーノが聞けば


「サラルさんはこれぐらいでは死なない。」


 短くそう言ってみせるのはコブノ―の妻、トゥランだ。それに青い髪の青年が同意する。


「そうだよな。腹減りすぎて寝てんじゃね?ドラゴンに食われても死ななかったんだからだいじょう、ぐふっ!何すんだよオッサン!」


 聞き捨てならないことが言われた気がしたが、コブノーの横肘を腹に食らって青年はコブノ―を睨みつける。


「それは言わない約束だろう。なあ、ザン。それと親父に向かってオッサンとはなんだ、オッサンとは!」

「うっせーんだよ!オッサンをオッサンっつって何がワリイんだ!!あ!?」

「うるせえのはお前だ、バーカ。」

「うわ!?」


 青年に砂を投げつけるとむくりと砂浜から起き上がったサラルはいつものぼそぼそとした小声ではなく、普通の音量で話している。それに、鬱陶しかった長髪も短く切り、こざっぱりとしていた。服装はいつも通りのひとまわり大きいサイズのものを着ていたが。


「起きてるなら返事ぐらいしてよお兄ちゃん!」

「泳いでたら気持ち良くなってここで寝てただけだ。心配かけて悪い。」


 カルハの頭をぽんぽんと撫で終えた辺りでサラルはディーノとヴァイオレットに気付いたようだった。


「よう。」

「どうも、お久しぶりです。」


 短い言葉で二人の会話は終わってしまう。彼は気まずそうにぽりぽりと右手で頭をかいてからコブノ―を振り返った。


「夜、リルん所に行くんだろ?早く行こうぜ。」

「ああ、そのつもりだ。たくさん今までの礼を言わないとなあ。」


 そこにもう一人のヴァイオレットが知らない男性が会話に加わる。灰色の髪に黄色の鋭い目をしており、一見すると怖い人に見えそうなものだが、雰囲気がほわわんとしていて笑顔なのでヴァイオレットに悪い印象は与えられていなかった。


「お、俺達も、行って、いいんです、よね?」


 少し不思議なしゃべり方だな、とヴァイオレットは思ったが、普通に会話は進んでいく。


「もちろんだ。そもそもお前らの新婚旅行の案内ついでに奥さんの里帰りに来たわけだからなあ。」

「俺はカルハの夏休みだから来ただけだ。お前に頼まれたから来たわけじゃねえ。」


 コブノ―は苦笑い気味、サラルはぷいっと横を向いたが、男性はキラキラと子供の様に目を輝かせた。


「ありがとう、ございます!コブノ―さん、だん」

「「だん?」」


 そこで言葉を止めて表情が固まってしまった男性にカルハとヴァイオレットが聞き返す。少女たちに聞き返されて、汗を垂らして目だけをせわしなく動かせる男性の様子に見知らぬ女性はふふふと笑った。


「タカラが言いたかったのは、だんだん寝相が悪すぎて嫌になってきたサラルさん、だろ?いってえ!」


 どかりとサラルに蹴られた青髪の青年はうめき声をあげる。蹴ったサラルの機嫌は悪そうだ。


「貴方達はヴァイオレットの知り合いのようだな!我が家に来てゆっくり話そう!」

「あー、俺達これから飯食いにいくんだ。悪いけど…ん、なんだ。」


 ディーノの誘いを断りかけていたサラルだったが、カルハに服を引っ張られて話を中断させる。カルハは大真面目な顔で話す。


「この人、たぶんヴィオの教官だよ?」

「どうしてわかる。」

「だって王都のパレードの時にヴィオの傍で歩いてたもん。それに、今ヴィオが生活してるのはその教官さんの実家らしいよ?」


 二人が手紙をやり取りしていることは知っているようで、じっとディーノを見据えたサラルはディーノからの誘いを受け入れた。


「だが、飯の時間までだ。」

「そ、そんなに、美味い、のですか?」

「ああ!すっげー美味い!卵が、こう、口に入れた瞬間ぷるんぷるんとはじけてだなあ…」


 食について熱く語り出したサラルとコブノ―に相槌を打ちながら灰色の髪の男性とディーノはずんずんと家へと歩いて行ってしまう。残された女性陣と青髪の青年はゆっくりと歩いていく。


「サラルさんがあんな声で話すの、初めて見た気がするわ。」


 カルハはそれを聞いてうふふと笑う。


「兄さん、タカラさん達が結婚したのがよっぽど嬉しかったみたい。私が髪の毛を切った方がいいよってさんざん言っても今まで聞かなかったのに、今回は自分から切ってくれって言ってきたんだ!あっ、紹介するね!このお姉さんがさっきの灰色の髪の人、タカラさんっていうんだけど、タカラさんの奥さん、ライエイさんだよ!新婚旅行でここに来たんだよね?」


 カルハに顔をのぞきこまれ、顔に白い鱗のある女性、ライエイは微笑んだ。


「ええ、そうなの。貴女はヴァイオレットちゃんね?カルハちゃんからよくお話は聞いているの。あなた達のような仲のいいお友達、羨ましいわ。これから数日、よろしくね。」


 優雅に片手をそっと持たれ、思わず見とれてしまいそうになったヴァイオレットだったが、はっと気を取り直しライエイの手を取ったまま砂浜に膝をつく。


「私も貴女にお会いできて光栄です。」


 騎士の礼をとってみせたヴァイオレットにカルハはかっこいい!と手を叩き、コブノ―の妻トゥランは少し微笑んだ。青髪の青年はヒュウと口笛を吹く。


「あ、この人はザンね。冒険家なんだって。」

「なあ、俺の説明短すぎんだろ!?おい!!それに俺の方が年上なんだから、ザンさんって呼べ!!」


 二人がやいのやいのと言っている間にトゥランが教えてくれた。


「彼は私とコブノ―の養子。冒険家として各地を旅してまわっているの。ああ見えても双剣の扱いはとても上手いのよ?少し馬鹿だけど。」


 彼女たちがディーノの屋敷に着くと客間で男たちは話していた。


「うわあ!立派なおうちだね!あっ、そうだ!ディーノさん、私も今日はここでヴィオと一緒に寝てもいい?ダメかな?」


 なんともまあ教官を気軽に読んで、そんなことをいえるものだと思ったが、ヴァイオレットの意に反してディーノはあっさりと承諾した。そのうえ驚くことに、滞在中はここでいればいいとまで言ったのだ。


「ディーノよう、いくら顔見知りとはいえ、そこまでしなくたっていいんだぜ?」

「いいのだ!賑やかな方が良かろう!それに貴殿らとも手合わせをしてみたいしな!!」


 絶対に後者が本来の目的だ、この人。とんだ脳筋を教官に持ってしまったと心の中でため息をついていると、実際に横でため息をつく人がいた。ディーノの妹でこの屋敷の主だ。


「兄さんがいるだけで賑やかなのだけれど?それと、誰かを泊めるなら私に相談してほしいわ。」

「うむ、次からは気を付ける!」

「兄さんは返事だけはいいわよね。ところで、貴方たちの荷物を宿から運ぼうと思うのだけれど、どこの宿かしら。」

「いやいや、そこまでしてもらわなくたっていいです。」

「いいから言って下さい。」


 彼らがガザリアに滞在するのは一週間。鍛錬や任務でクタクタになりながらもヴァイオレットはその一週間を楽しく過ごした。晩にはディーノと男たちがそれぞれの武器を交えるのでとてもうるさい。特にディーノとザンの掛け声が、だ。戦闘に夢中になったディーノは魔法を教えてくれそうになかったので一人で練習していると、カルハも一緒に練習につきあってくれた。彼女はマリン学園に通うだけあって、全ての魔法を使いこなせるようになっていた。


「うん、そうそう!あともう少し力をこめたらもっと高温の火が出ると思う!」


 カルハは赤い炎よりも温度の高い青い炎を手のひらに出現させ、ヴァイオレットに見せながらアドバイスをくれる。


「ん、わかったわ。こう、かしら?」

「ヴィオはやっぱり飲み込みが早いね!大きさは魔力をぐっとこめたら大きくなるよ。」


 楽しい時間が過ぎ去るのは速く、ついに滞在最終日になった。今日はディーノやヴァイオレットも非番の日だったので、他の見習い騎士たち3人とフランクも共にガザリアを散策することになった。集合場所をディーノの家として集まった見習い騎士とフランク達だったが、朝っぱらから繰り広げられる乱闘に驚いていた。


「おいサラル!今日こそ俺と闘え!」

「俺とも手合わせを願うぞ!!」


 双剣を手にしたザンと剣を持ったディーノがサラルにとびかかっていく。だがサラルはひょいひょいと避けるだけだ。慌てて駆け寄ったコブノ―とフランクがそれぞれ子供とバディを取り押さえる。


「このような騒がしい私達が新婚旅行の大切な一日に加わってもいいのだろうか…」


 額を押さえて目をつむるフランクにライエイは優しく笑いかけた。


「問題など、ありませんよ?ザンさんはいつもこの調子ですし、賑やかな方が楽しいではありませんか。それに今日までたっぷりと二人で過ごせたので気にしなくてもいいです。」


 大人たちはこんな会話をしていたが、子供たちはというとアウローラがぶんぶんとカルハの手を振っている。いや、二人ともがぶんぶんと振っているので見分けがつかない。


「君、ヴィオのバディのアウローラでしょ?私、ヴィオの親友のカルハ!よろしくね!アロって呼んでもいい?」

「うん!もちろん!よろしくねカルハちゃん!ヴァイオレット、僕もヴィオって呼んでいい!?」


 突然話を振られてびくっとなり勢いに押されたヴァイオレットが思わずうなずくとやったー!と喜びカルハに抱き着くアウローラ。驚くかと思いきや、かるはは一緒に抱き合ってぴょんぴょんはねる。


「あ、アウローラ!女性に抱き着くなんて破廉恥だぞ!!」


 顔を真っ赤にしたオスナットによってアウローラはカルハから引きはがされた。


「ごめん、嫌だった?」

「ううん、ぜーんぜん!ねえアロ。もしかしてその堅い話し方の子がオスナット?」

「うん!そうだよ!」


 自分の名を言い当てられて驚いているオスナットの顔を見て、ニシシと笑ったカルハは黒髪で青い目の少年に目を向けた。


「じゃあ君はライウスね?」

「そうだ。」

「剣、強いんだって?今日時間があったら手合わせしてよ。自分で言うのもなんだけど、私強いの。」

「強いのか…!いいぞ、やろう!」


 きらんとライウスの目が光る。隠れ脳筋だった彼が最近ディーノに触発されてただの脳筋になっている。


「今日はハネムーンのうちの一日なんだから、派手に暴れちゃだめよ。」

「わかってるよ、ヴィオ!大丈夫大丈夫!」


 まったく大丈夫ではなさそうだったが、今日も一日晴れているのでライエイがピクニックをしたいと言い出した。お昼ごはんは各自で作ってあったので、二人の新米夫婦が好きになりそうな草原や花畑を巡る。先頭を歩いて案内をするのはガザリア出身のディーノだ。クローバー畑や花の咲き乱れる花畑を訪れたが、クローバー畑は人が多すぎたため、花畑はタカラとサラルのくしゃみが止まらなくなってしまったのでやめることにした。


「じゃあ、あそこはどうでしょう?」


 アウローラがディーノにこそこそと耳打ちをすると


「うむ!いいな!そうしよう!」


 そうして訪れたのは人も少なく、小さい花がちらほらと咲いていて海を見渡せる高原だった。緩やかに吹く潮風が心地いい。


「いいですね、ここ。ありがとうございます。」

「ありがとう、ございます。」


 にこやかに夫婦に礼を言われたディーノは人差し指で鼻の下をこすった。アウローラもおなじことをしていた。 


 昼ご飯を食べて大人たちはゆっくりと海を眺めた。心と体が子供な者達はさっそく手合わせをしている。


「お前、なかなかやるな…!」

「貴方もねっ!さあ、これはどう!?」


 こちらはカルハとライウス。出発する際に宣言した通りに剣を交え、生き生きとしている。ライウスは重く素早い一撃が特徴的だ。だが、まだまだ確実に当たっているわけではなく守りも不十分だ。カルハは彼女の父マルシのように流動的で素早い剣術で身軽な動きで四方八方からライウスを攻める。それでも一撃が軽く、ライウスにあっさりとはじかれてしまっている。それでも彼女が十分に応戦しているのは不思議なものでマリン学園は座学ではなく実技のみを教えているのかと疑いたくもなる。


年少の二人とは少し離れた所では一方的に戦いを押し付けサラルに戦いを寝ることによって放棄されたザンとディーノが剣と双剣でぶつかり合っている。こちらのぶつかるスピード、剣戟の音や気迫は圧倒的だ。


それに対し、大人達はゆっくりとしている。新郎新婦は手をつないでにこにこして海を眺めているし、フランクはディーノを制することをすでに諦めたらしく、コブノーやコブノー婦人の横で最近の治安について話している。アウローラは鼻歌混じりに花の冠を作っていて、それを見たヴァイオレットの心は少し、チクリと痛んだ。


「ヴァイオレット、俺、実は」

「オスナット君~!君も一緒に手合わせしよっ!」

「えっ、ちょっと待て、おい!」


オスナットが何かを言いかけたようだったが、問答無用でカルハに引きずられていった。可哀想に、滅多打ちにされている。


そうして夕日が沈む頃まで波の音を聞いてくつろいだ一行が、そろそろ小腹も空いてきた、さあ夕食を食べに行こうと腰を上げて立ち上がると剣を交わしていた数人が草原の上で倒れている。力を振り絞った結果だったが、晴れ晴れとした顔だ。大人達がザンとディーノを見に行ったため、ヴァイオレットとアウローラが同年代の3人に近づくと辛うじてオスナットが起き上がった。


「大丈夫?オスナット、血がにじんでる。」


ふわふわと潮風に揺れる前髪を押さえながらアウローラが聞く。オスナットの服の腕の部分が血で赤黒くにじんでいた。


「平気だこれぐらい。それよりもカルハとライウスの方がひどい。」


なるほど確かに二人の怪我は多く血も出ている。


「本当だ!どうしよう!」

「アロ、私の荷物から箱を出して」


騎士らしくない慌てぶりを見せるアウローラに少し苦笑いを浮かべて指示をしようとするカルハだったがオスナットが彼女の患部に両手を置いた。何かとオスナットを見たカルハだったが、彼は何故か力強く頷いた。


「ここは俺に任せろ。」


ヴァイオレットとアウローラ、そしてカルハが見守る中、オスナットの手とカルハの腹の間で眩い金の光が輝き始める。どうやらオスナットの手から出ているようだ。


「光魔法?」

「そうだ。光魔法は治癒魔法とは相性が良い。ここに少量の治癒魔法と混ぜるとだな」


言うと同時に緑色の柔らかい光が出てきたかと思えば金の光と混じり薄緑の光が出来上がる。


「倍の治癒力で癒せるというわけだ。」


カルハの傷跡が消えてしまった。改めて魔法の力に驚かされるアウローラとヴァイオレット。全ての傷を癒してもらいオスナットがライウスの治療に取りかかったところでカルハはため息をついた。


「やっぱり魔力が多いっていいわよね。私もそこそこ魔力は多い方だけど、こうはいかないもの。」

「そうなの?」

「そうなのよ。」


カルハは苦笑する。人一人を魔法で完治させる魔力はやはり貴族特有のものであり、数多の平民には得られないものだ。


「だから私は薬でどんな病だって治せるようにしたいの。その場にいる治癒師の魔力だよりにならないような。薬だったら仮に魔力がない人だって自分で治せるわけだし。」


よいしょ!と言ってヴァイオレットの横に並び立ったカルハはにこっと笑う。


「ともかく!オスナット君、ありがとね!君のおかげで傷も治ったわ!ヴィオも彼と一緒に行動してるんだったら安心ね。」

「まっ、まあなっ!俺も剣術以外でライウスのバディとして誇れるものを模索した結果がこれだ。もちろん剣術だってこいつを追い越して見せるがなっ!」


こいつ、とオスナットが指差したライウスはオスナットのその手を掴み投げ飛ばした。唖然とするオスナットに


「何?俺を抜かす?それならもう少し腰に力を入れた方がいいんじゃないか?」

「そうね、あとスピードもたりないわよ?あ、それからそれから!」

「おい、治してやったのにその言い草はなんだ!」

「ありがとう。我がバディよ。」

「こいつ…!」


顔を真っ赤にしてまくし立てるオスナットを彼によって完治したカルハとライウスがからかう。その図を横で見ていたヴァイオレットとアウローラはくすりと笑った。

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