解決!そして新たな依頼?
次の日の昼休みに俺は1年2組の田路のところを訪ねた。
田路は相変わらず扉から1番近い席で1人で座っていた。
まだクラスではぼっちらしい。
俺が田路を呼ぶと廊下に出てきた。
「調子どうだ?」
「クラスでは相変わらずです。でもあの後建前さんの友達とも話すことが出来たので良かったです」
「そうか。お前なりに進展はあったんだな」
「そうですね」
同じクラスの友達は出来て無さそうだが俺には田路の顔がどこか満足そうに見えた。
「先輩」
「なんだ?」
「ありがとうございました」
「でも、まだお前の同じクラスの友達っていう依頼には応えられてない」
「もう十分ですよ」
田路の顔は今まで見たことない笑顔だった。
妥協しているっていう感じでもなかった。
「ほんとにいいのか?」
「はい!」
おそらく田路は高校になってから友達というのが出来てなかったので同学年の同じ部活のメンバーと話せたってことに喜びを覚え満足しているのかもしれない。
だがそれなら今後建前さんとかと話さなくなったりする場合があるので田路の『もう十分』って言葉を受け取りつつ引き続き依頼には協力するって言い回しで…
「そうか。なら依頼は解決ってことで。でも念のため1週間は様子みさせてもらうけどいいか?」
「はい」
1週間が経ちテニス部で田路が建前さんと仲良くなってるのを確認してから依頼は解決した。
っていうか田路と建前さんの周りには三、四人集まってる。
初めての依頼は元の依頼には応えられていないが、8割型は解決することに成功した。
さらにその1週間後…
「田路さん以来依頼来てないわよー!水有月!どうすんのよ!」
「俺に言うなよ。っていうかこれがデフォルトだろ」
「それにしても暇ですねー」
その時、また扉が開く。
「あ、彩愛だ」
「どうしたの?美乃里?」
美乃里というのは名嘉地の友達で田路に話しかけてもらった建前美乃里のことだ。
「茉莉にこの部活のこと聞いてきたんだけど依頼いいかな?」
茉莉?…あ、田路のことか。
「あ、うん。いいよ。で、どんな依頼?」
「あのね…」
そうして建前が依頼を告げる。