共通の知人作戦3
次の日の放課後俺たちは軟式テニス部を見に行った
。
金網越しに覗いているのだが女子の軟式テニス部を男である俺が覗いているとストーカーみたいに見られないだろうか?
他の二人は特に違和感はない。
なぜならこいつらは女子だから。
「ねぇ、彩愛ちゃん。彩愛ちゃんの友達ってどの子?」
「えーとですね。あ、あの子です。あの子が建前美乃里です」
「結構かわいいわね」
いや、新田には敵わないんじゃないか?
さっきから男子がチラチラお前のこと見てるぞ。
「あ、田路さんです」
「あんまり馴染めてないわね」
隅でじっとして誰かと目が合ってもそらしている。
あれじゃあ友達はできねぇな。
これはダブルスの練習試合が始まるまでに仕掛けなくては。
そしてテニス部は休憩に入った。
「名嘉地、お前の友達呼んでくれるか?」
「はい。わかりました」
そう言って名嘉地は建前っていう友達を呼びに行った。
「建前さんと友達にさせる気なの?」
「そうするしか方法はないだろ?」
「まあ、同学年同クラスっていう縛りが厳しいわね」
「まずは部活の友達を作ってそこから広げて同クラスの友達を作らせる」
「うまくいくかなぁ?」
なんでコイツこんなにネガティブなの?
すると名嘉地が建前さんを呼んできた。
「呼んできましたよ。あ、美乃里、この人達は私の部活の先輩で水有月さんと新田さん」
「え?あの新田さん?」
新田はかわいいことで有名だが他学年でも有名らしい。
「よろしくね」
「は、はい」
「いきなりだけどちょっと頼み事いいか?」
「えーと、何ですか?」
「田路っていう部員いるだろ?そいつとダブルスでペアになってやって欲しいんだ」
「田路っていつも隅で固まってるあの人ですか?」
「ああそうだ。頼めるか?」
「でも今日私ダブルスのペアもう決まってるんですよね」
「お願い、建前さん。ダメかな?」
新田も頼んでいる。
コイツがまともに仕事してるの初めて見た気がする。
「え、えーと…わかりました。今日はペアに謝って田路さんと組むことにします 」
建前さんは新田に頼まれて少し頬が紅くなっていた。
何?新田って女子にもモテんの?
この時俺は気づいた。
新田ってとてつもない戦力だってことを。
「ありがとね。美乃里」
「うん。田路さんちょっと可愛らしいし前から少し話してみたいとはおもってたから」
テニス部の休憩が終わり、建前さんは田路に話しかけていた。
このまま上手くいけばいいのだが。
これ以上覗いていると入部希望者に間違えられてしまいそうということで部室にもどることにした。
俺は入部希望者じゃなくてストーカーに間違えられそうだ。
そうして部室に戻った。
「とりあえずこれで田路さんと建前さんが仲良くなってくれればOKね」
「まあ、同クラスの友達ってのは俺達には少し厳しかったか」
「でも美乃里はフレンドリーな子なんでかなり打ち解けられると思います」
「明日の昼休みどうだったか聞いてみるか」
「そうね。あ、でも私は再テストがあるから行けない」
「私はお弁当食べてると思うんで行けません」
なんでこいつら『私正しいこと言ってますよ』って顔してんの?
「わかったよ。俺一人で行けばいいんだろ?クソ野郎」
そうしてまた俺一人で1年2組に行くことになった。
今度から俺も弁当食うスピード遅くしようかな…