共通の知人作戦2
「ただいま」
午後6時頃ようやく俺は家に帰宅した。
「おかえりお兄ちゃん。遅かったね」
「いつもこんなもんだよ」
こいつは水有月結花。
俺の妹である。
「ご飯にする?お風呂にする?それとも────」
「ご飯にする」
「最後まで聞けー」
「それともなんだよ?」
「わ・た・し?」
「ご飯にする」
「なんでだよー」
「実の妹に手を出すほど腐っちゃいねぇよ」
「まあ、なんでもいいや」
「なら聞かないでくれるかな」
「それよりお兄ちゃん。部活うまくやれてる?」
「まあ、やれてたりやれてなかったりだな」
あとサボられたり。
「何だよ中途半端だなー」
「そうだ。結花に聞きてぇ事あんだよ」
「ん?なになに?」
「お前学校に友達いるか?」
「心配してくれてんの?それともバカにしてんの?」
「いるのか?」
「当たり前でしょ。いなきゃ学校なんて行かないよ。」
「中学校は義務教育だぞ」
結花は中学2年生だ。
さすがに友達がいないってことは無いか。
「じゃあ、今の友達とどうやって仲良くなったんだ?」
「えー、覚えてないよそんなの。いつの間にかって感じ」
確かに言われてみればそうである。
今仲のいい友達とどうやって仲良くなったかっていうのは意外と覚えていない。
「何?お兄ちゃん友達いないの?」
「結構少ないけどいないことはねぇよ」
友達と言われて思い浮かぶのは1…2…3人くらいか。
少なっ!
自分でも悲しくなってきた。
あ、でも新田を入れたら4人かな?
同学年で唯一の女子の知り合いだ。
友達っていうのかなあれ。
まあ、この際友達ってことにしておこう。
新田はあんな感じでも結構モテるらしい。
苑本翼だって新田にときめいているらしい。
まあ、俺達と新田は違うクラスなのであいつのクラスの様子はよくわからねぇけど。
「お兄ちゃん?」
「ん?」
「『ん?』じゃないよ。で、友達がどうしたの?」
おっと、いつの間にか意識が新田にとんでしまっていたな。
「部活だよ。同学年同クラスの友達がほしいって依頼が来てんだよ」
「へぇー」
興味無いのかお前?
「どうでもいいけど頑張ってね。結花応援してるよー」
どうでもいいのに応援するんだなこいつ。
まあ、友達になった過程なんてあまり覚えてないってのは結花の言うとおりかもしれない。
どうせ覚えてないんならどんな形でも友達にさせることができたらそれでいい。
少しばかり簡単になった気がした。
はじめまして。
遠藤鍵と申します。
5話目で初めて後書きを書かせていただきます。
この5話は『共通の知人作戦2』とか言っていますがあまり共通の知人作戦は関係ないかもしれません。
次の『共通の知人作戦3』はがっつり題名通りに話が進んでいくと思いますので投稿後読んでいただけると幸いです。
あ、ちなみに新田胡桃がモテるってのは後付けではありません(笑)