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ライザと呪文集

3/1改稿

 

「じゃあ、何なんです?」

 魔導書じゃないってどういう事でしょう?


「ん~、多分魔法使いの使う呪文集じゃないかな。学園がミスするとは思えないから、わざとなのかな…」


 ミスであってほしいと思いますが、魔導書を開くと暴発させてしまう私にはこれの方がいいのかもしれませんね。


 しばらくしてようやく家に辿り着きました。

ここまで物凄く長く感じられました…。


玄関に入ると父様と母様、それにメイド長のリアが出迎えてくれました。その手には魔導師ギルド特製のクラッカーが握られています。

嫌な予感しかしません。


「お帰り(なさいませ)、ライザ(お嬢様)。」


 そう言って3人が私に向けてクラッカーのひもを引いた瞬間、私はドアを閉めました。


 危ない、危ない。あのクラッカー、ひもを引くと大量の紙吹雪とともにランダムでプレゼントが出てくるヤツです。まかり間違っても人に向けるものではありません。


プレゼントがぶつかってくるのです。


家具なんかが出てくる事もありますから、あたったら怪我なんかじゃ済まなくなってしまうでしょう。

 注意書きにも、人に向けないよう書いてあるはずです。


ちなみに、私がドアを閉めた直後にものの当たる鈍い音がしました。


どうやら家具か何か重いものだったようです。


 3人とも浮かれすぎじゃありません?下手したら私死んでましたよ。


 それに父様も母様もお仕事で忙しいんじゃないんですか?また部下の人に押し付けてきましたね。


  はぁ。兄様は気が付いたらいなくなっていますし、浮かれまくったこの人達どうしましょう?

 中から物が割れる音とか、ぶつかる音とか聞こえてくるのですけれども。


 仕方ないですね。兄様は仕事でしょうから、行きますか。

 

 私は再びドアを開き、事態の収拾に向かったのでした。

 


 *


 卒業式が終わって1か月たった、ある日のことです。


 予定の急な変更で暇をもてあますことになった私は呪文集の存在を思い出しました。


 卒業式の後のドタバタのせいですっかり忘れていたのです。


 取りあえず、と突っ込んでおいた本棚から呪文集を取り出して、パラパラとページをめくっていると≪魔力の増加≫という項目を見つけました。


魔力増加、ですか…。


魔力ならいくらあっても困りませんね。

暇ですし、やってみましょうか。


 必要なものは、魔力と杖とこの呪文集、それと呪文だそうです。


ええっと。魔力は十分ありますね。


呪文は書いてありますし、別段準備は必要ないでしょう。


問題は杖、ですね。


魔法使いの杖と魔導師のは長さも違いますが、まあ杖であることには変わりないでしょう。


 準備は出来ました。やってみますか!


私は右手に杖、左手には呪文集を持って呪文を朗読し始めました。


 ≪我は契約を所望する。汝、我が求めに応じて現れよ。いでよ!人ならざる者、魔力を有する同朋よ!≫


 …あ。これ…悪魔召喚じゃないですか?私の馬鹿!


なんで本文ちゃんと読まなかったんです!


 これに失敗して死んだ魔術師は大勢いるって授業で言ってたのに!


 杖を通じて魔力が奪われていくのが分かります。


悪魔召喚を行った魔術師は魔力をすべて悪魔に奪われた事で死んだのだといいます。


私もそうなってしまうのでしょうか。


 暗転する直前の私の視界には、こちらに向かってくる黒い影が映っていました。






 



呪文が中二なのは仕様です。自分でも分かってます…

魔術師は魔導師と魔法使いの総称です。


 読んでくださってありがとうございます。

 

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