第七章
ギギギギギ・・・と音を立てて扉が開いた。
「はい、本日の試験は終了です。生き残ったのはあなたたちだけですか?」
いかにもお堅い、と言う雰囲気の人で、白っぽい茶髪を後ろでお団子にガッチガチに固めている。
「はぁ、まぁ、そうです・・・」
「もっとピシッと!そんなにへなへなしていては、仕事は勤まりません!」
「はっ、はいっ!」
女の人は言った。
「わたくしの名前はシェシュティン・ユーセフソンです。では、付いてきなさい」
ベラは、どうして付いていかなければならないのか疑問に思ったので、質問する事にした。
「あのぅ、何で付いていかな・・・」
ベラの声は途中で遮られた。
「いいから!女王様からの命令です!!」
「は、はいっ!」
グレンの溜め息が後ろから聞こえた気がしたので、ベラが振り返ろうとした時だった。
「何をやっているんですか!とっとと付いてきなさい!」
ベラとグレンは揃って溜め息をついた。
☆
それからベラ達は、謁見室に連れて行かれた。
実は、さっきの所は精巧に作られた謁見室2だったらしい。
そこには女王様と、かっこいい男の人と、美しい女の人しかいなかった。
「では、あなた達を王国調査隊アルファチームの一員とします。さあ、シェシュティン、連れて行ってあげて」
「ちょっと待ってくださいっ!女王様」
ベラは急いで言った。
「王国調査隊とか、アルファとか、よく分かんないんですけど・・・」
女王は微笑んだ。
「そうよね。ごめんなさい。じゃあ、シェシュ、下がって」
「かしこまりました」
シェシュティンは謁見室を出た。
「まず、あなた達には、天球儀を捜してきてほしいのです」
「天球儀って、まさか、女王様・・・」
グレンが呟く。
「ちょっと、グレン。落ち着きなさい。女王様の話、ちゃんと聞きなさいよ」
美しい女の人が言った。
「姉さん・・・。それに、義兄さんまで・・・」
「は?」
口に出して言ってしまった後、ベラはあせった。
(あ~、どうしよう!バカバカバカッ!こんな高貴な身分の方たちのまえなのにぃ~)
美しい女の人は、薄い茶色の髪に、青い目をしていて、グレンとは似てもつかない容姿だ。
「あなたが、ベラさんよね?わたくしはグレンの姉の、ルナよ。よろしくね。それにしても可愛いわねぇ~。あなたの様な義妹ならいつでも大歓迎よ♪」
「え?」
ベラとっさに聞き返した。
しかし、グレンは瞬時に理解し、露骨に嫌そうな顔をした。
「冗談はやめてくれ。もういい。ベラ、行くぞ」
「はぁ?何言ってんの?女王様の許可なしに出て行けるわけないじゃん」
「そうよ。ベラのほうが正しいわ」
ルナもベラに加勢した。
女王は溜め息をつき、
「じゃあ、行っていいわよ。説明はグレンから聞いて」
「女王様。一ついいですか?」
「どうしたの?」
グレンが聞いた。
「二人で天球儀を探しに行かないといけないのですか?」
女王が大きく息を吸ってから言った。
「いいえ。今回は六人で行ってもらいます。あとの四人が誰なのかは、着いたら分かるわ。シェシュ、準備は?」
シェシュが扉から出てきて答えた。準備は万全です。あとは出港するのみです」
「ありがとう。じゃ、二人を連れて行って」
「かしこまりました。では、着いてきなさい」
(出港って・・・・。どこ行くの?まさか、無人島とか行っちゃうわけ?トラとか出たら怖そうだなぁ~)
この時、ベラはまさか本当にトラがいる島に行くとは知らなかった。
「