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炭酸水の街

作者: 檸檬
掲載日:2026/05/02


ひとびとの息遣いとため息が雨に溶け込んでゆく


足音と雨音の速さには徐々に行き場がなくなるみたいな水色の街


息を大きく吸い込んで泳ぐ


泡沫のペンダントを光らせて


三分も持たないうちにシュワっと弾け飛ぶよ


まだ水底に光るのは

あなたに貰った密閉された水泡のペンダント


風波に泳がせて 


雲の花弁を映して


雨色、曇色、夕色に染めながら


千茅の銀白色の穂波の中で


クルクルと転がりながらお喋りをしたわ


それだけのことをだけど


 心の底から楽しかった


この気持ちを残しておきたくて


ゆっくりと歩きながら

空の日記帳を広げてそう書いていた


あなたにも読んで貰えたらと書いた


緑光が差した皐月には風が吹き


竹林には秋が来たように


舳先のような竹の葉がサラサラハラハラと散り落ちて野花の足元を包んでいた




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