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純愛という名の××  作者: 愚者


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5/5

伍話 ツナガッタ?

 日曜日の朝、どんよりとした気分で目が覚めた。

 昨日のことを思い出すと、吐き気がこみあげてくる。

 自分への嫌悪感、香苗への罪悪感。それらに押しつぶされそうな感覚に陥る。

 その感情が胃の中をぐるぐると回るような気持ち悪さから、グワリと吐き気がこみあげてくる。

 そのまま起きるのも億劫で、二度寝をかます。

 その後に起きたのは、昼頃になった。

 そろそろ起きなければと、重い体を起こしてスマホをとる。

 スマホを見ると通知が数件来ていた。

 一つずつ、誰からかを確認していくが...ほとんどが通知をオフにし忘れた公式からだ。

 それを見てやっぱり思ってしまう。俺にはあいつ等しかいないのだろうと。

 なのに、なのに...

 そう思いつつ、他のLIMEも見ていくと鈴音から通知が来ていた。

 鈴音とのトーク画面を開くと、メッセージが三つ来ていた。


鈴『ねぇ、今日暇かな?』

『よかったらなんだけど』

『一緒に行きたいところがあるの』


 丁度よかった。鈴音との関係を改善させようとしていたところだ。

 もう変化は恐れない。


清『あぁ、行こうか』

『ちなみにどこに行くんだ?』


▲▽▲▽▲▽


 朝起きて、昨日のことを思い出した。

 清明くんは、香苗の告白の返事を先送りにした。だから、私にもチャンスはまだあるかもしれない。

 攻めるなら今しかない!!

 私はそう思いつつ、清明とのトーク画面を開いてメッセージを送る。


鈴『ねぇ、今日暇かな?』

『よかったらなんだけど』

『一緒に行きたいところがあるの』


 送った。送ったよ。

 いいよって言ってもらえるかな?断られないかな?不安だ。

 悶々として抱き枕を抱いて、部屋の中を転げまわる。

 それから数分おきに何度もそわそわしながらスマホを見る。

 でも通知は来ない。

 もしかしてブロックされたのかな?スルーされてるのかな?

 なんで、なんで、なんで⁉

 そうなると物に当たってしまう。

 何度も何度も何度も、枕を殴り続ける。

 殴るにつれて、ボフボフという音を立てる。

 何時間たった時だろうか、プップン♪とスマホが音を立てる。

 急いでスマホをとり、画面を確認する。

 来ていたのはLIMEの着信。それも、清明くんだ。


清『あぁ、行こうか』

『ちなみにどこに行くんだ?』


 嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。

 ブロックしてなかった、スルーしてなかった。


鈴『駅前のコーヒー屋に行きたいな』

『一人じゃちょっと生きにくいから』


 そんなのはただの建前に過ぎない。ここで更により深くつながる。後戻りのできないぐらい深く深くに、そして清明君の心に私という存在を刻み込む。

 何着て行こうかなぁ。

 十数着から三着ほど選び抜き、その中から清明くんの好きそうなものを選ぶ。

 するとプッププンとスマホが音を立てて震える。

 通知を確認すると、清明くんからだった。


清『集合は駅でいいか?』

『あと、何時から行く?』

鈴『何時でもいいよー』

『なんなら今からでも』

清『なら今から出るわ』


 ちょ、ちょっと軽い冗談封に行ったんだけどなぁ。

 でも、それだけすぐにでも私に会いたいってことだよね。

 よし、じゃあすぐ出よう‼

 私はウキウキとした気分で家を飛び出た。


▲▽▲▽▲▽


 家を出て、駅の目立つ場所へと行く。

 その目立つ場所とは、遊園地に行った時の集合場所である像だ。

 多分、此処に待っていれば来るだろうと待った。

 鈴音も同じことを思っていたのか、像へとやってくる。

 

「やや!!早いね、清明くん」

「いや、俺もさっき来たところだよ」


 実際についさっきだ。パチモンGOで駅にいるパチモンを五匹ぐらい捕まえたら来たため、本当にすぐだ。

 鈴音はおしゃれをしてきているようだ。

 ほめようかとも思ったが、これから関係を終わらせようとしてるんだ。褒めるのはやめておこう。


「それじゃあ行こうか」

「うん」


 俺たちは二人並んでカフェへの道を歩いた。

 鈴音と手が当たり、少しドキッとする。今、それはもうやめるはずだろ。

 ドキっとすんなよ俺。この後への意思が削がれる。

 今日でこの歪んだ関係を終わらす。


▲▽▲▽▲▽


 いざ喜んで飛び出してみたけども、もしかしたら清明は今日、私との関係を終わらす気なのかもしれない。

 だったら、そのための対策を取ろう。

 LIMEのトーク画面を開く。相手はクラスの男子生徒で、名前は田中 信玄。

 私は自分で言うのも何だがクラスで学校での人望が強い方だ。

 だから人も集まってくる。その分、弱みも集まってくる。

 田中 信玄の弱みも私は持っている。


鈴『やってほしいことがある』

信『なんです?』


 送って一分以内に既読が付く。やっぱり、人ってのは利用しやすい。


鈴『私と清明くんが今から駅でデートする』

『そこを写真に撮ってほしい』

信『あれ?清明って凛堂が狙ってなかったですか?』

鈴『うん。それがどうかした?』

信『いや、そういうことならいいです』

鈴『分かってくれたならいいよ』

信『なら今から行きますね』

鈴『あと、撮ったらグループとかに送って』

『できるだけ多くの人に広めて』

信『何がやりたいか大体わかりました』

鈴『もし、裏切ったりでもしたら分かるよね』

信『裏切りませんよ』

『もう、あんなことにはなりたくないですからね』


 信玄とのトーク画面を閉じ、他の人のトーク画面を開く。

 各クラスでそこそこ発言力の大きい人で私が弱みを持っている人たちだ。佐藤に山田、鈴木や高橋と計四名。

 これでもし関係を切ろうとしても、明日には教室で学年で私たちが付き合っているように噂されているだろう。

 そう思うだけでウキウキとした気分になる。

 そのまま軽やかな足取りで駅に向かった。

 そういえば、集合場所決めてなかったなぁ。

 まぁ、とりあえずいつもの像に行こうと。

 いつもの像に着くと、清明くんはスマホをつつきながら待っていた。

 あの手の動きはいつもやっているパチモンGOだろう。

 そんなことよりも思考が同じだったことに嬉しく思う。以心伝心、やっぱり赤い糸でつながっているのかもしれないなぁ。

 私はそんな乙女チックなことを考えながら、清明くんのいる像へと駆け寄った。


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