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「男に媚びるバカな女しかいない」と嘆く男たちへ。採点基準がガバガバなチョロい試験官相手に、本気で勉強するわけないだろ?

作者: 結城 晶

【警告】劇薬につき、服用(インプット)注意


ようこそ、私の実験室コラムへ。


私は結城 晶。異世界アステルにて、しがない「よろず屋」兼「石鹸工場長」を務めている者だ。


日頃、私はこの世界で「魔王城」などと呼ばれる工場に籠もり、科学の力で民衆の生活を強制アップデートしているわけだが……。


ふと、元の世界である日本の様子を観測していて、鼻で笑ってしまったよ。


「最近の女はあざとい」


「努力もしないでチヤホヤされたがる」


……そんな寝言を、まだ言っているのか? 男たちは。


いいか、よく聞け。


お前たちが嘆いているその現象は、女の怠慢ではない。


需要側であるお前たちの「脳のバグ」が引き起こした、必然的な市場原理だ。


今からそのメカニズムを、論理的かつ冷徹に分解してやる。


耳の痛い真実データが含まれているだろうが、泣くんじゃないぞ?


現実を直視できない人間に、進化する資格はないからな。


それでは、始めようか。

「最近の女は中身がない」


「媚びればいいと思ってるバカな女ばかりだ」


 居酒屋でクダを巻くサラリーマンや、SNSでご高説を垂れる自称・論客の諸君。


 お前たちのその嘆きは、データのノイズのように耳障りだ。


 まるで自分たちが「被害者」であるかのような口ぶりだが、あえて断言させてもらおう。


 その「中身のない女」という不良品を量産しているのは、間違いなくお前たち自身の「仕様」だ。


 男女関係というものを、一つの「選抜試験」としてモデル化してみよう。


 お前たち男性が「試験官」、女性が「受験生」だ。


 お前たちは口では「教養のある女性がいい」「芯のある女性が素敵だ」などと、立派な募集要項(たてまえ)を掲げる。


 だが、実際の「採点アルゴリズム」はどうなっている?


• 上目遣いで視覚的信号を送れば、プラス30点。


• 「すごーい! 知らなかった!」と、承認欲求を満たす定型文さしすせそを入力すれば、プラス50点。


• ちょっと胸元の露出度が高ければ、問答無用でシステムがバグって合格判定。


 要するにその入試、名前を書ければ合格パスなんだろ?


 ……脳の配線が焼き切れているのか?


 こんな「セキュリティがガバガバ」で「チョロい」試験官が相手だと解析できているのに、必死で図書館にこもって哲学書を読み込んだり、経済学を修めたりして自分をアップデートする受験生がいると思うか?


 いるわけがない。


 エネルギー保存の法則から見ても、それは「努力」ではなく、ただの「無駄なエネルギーロス(コスト)」だ。


 それは手抜きではない。「最適化」の勝利だ


 お前たちが「バカな女」と呼んで見下している彼女たちは、知能が低いわけではない。


 むしろ、市場原理を理解した極めて優秀な「ハッカー」だ。


 彼女たちは過去のデータを分析し、傾向と対策を完璧に立てている。


「この試験官(おとこ)というシステムは、ソースコード(なかみ)なんて見ていない。愛想と見た目というGUIさえ良ければ、承認プロセスが通る」


 とな。


 だから、媚び・愛嬌さいしょうげんのろうりょくで、チヤホヤ・奢り(さいだいげんのせいか)を得るという「最適化行動」をとっているに過ぎない。


 東大入試レベルの難問が出るとわかっていれば対策もするだろうが、名前を書けば受かるFランク入試なら、鉛筆を転がして遊びに行くのが、生物として最も効率的な生存戦略というものだろう。


 文句があるなら、自分のOSをアップデートしろ


「媚びない、自立した、知性ある女性」に会いたいだと?


 解決策はシンプルだ。お前たち自身が、そういう女性しか相手にしない「高精度のセンサーを持つ試験官」になればいい。


 安っぽい媚びには冷ややかな視線を送り、薄っぺらい会話にはノイズキャンセリングを発動し、真に価値のある努力をしている女性にだけリソースを提供する。


 男性全員がそうやってアルゴリズムを書き換えれば、女性たちは慌てて勉強を始めるだろう。「あ、今のバージョンのままじゃ互換性がない」とな。


 だが、無理だろうな。


 結局お前たちは、目の前の「わかりやすい餌」、つまり顔や胸などの視覚刺激に反応して尻尾を振る、自分のDNAに刻まれた「猿」の本能を飼いならせていない。


 ガバガバな採点基準を放置しておきながら、「受験生のレベルが低い」などと嘆くのは、実験条件の設定ミスを棚に上げて、結果に文句を言うようなものだ。


 まずは鏡を見て、自分の「試験官としてのスペック」を再設計してから出直してくるんだな。






 ……とまあ、論理的に分析すればこういう結論になる。


 ぐうの音も出ない正論だろう。


 だが、安心してくれ。


 私はそんな「媚び」や「露出」といった安易な手段で男を籠絡するような真似は、天地がひっくり返っても絶対にしない。


 なぜなら、私には――。


 そのための「胸部装甲むね」が物理的に実装されていないからだッ!!


 誰が『永遠の平原(エターナル・フラット)』だ、放っておいてくれ!!

※補足:私がこの世界でどんな商売(実験)をしているか知りたい物好きな君は、本編『理系作家(♀)~』の方も検索して覗いてみるといい。


https://ncode.syosetu.com/n0219lm/



もし「理系作家」を読んで面白いと思ったら、『★』をタップして評価を入れてやるといい。


作者という生き物は単純な報酬系で動いているからな。君たちのワンクリックで、尻尾を振って喜ぶはずだ。


……まったく、チョロい生き物だよな、作家って。

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― 新着の感想 ―
大変面白かったです工場長! 常々思っていた違和感を、つるりと過不足無く言語化してもらえた爽快感がありました。 本心(本能)が望んでいる『中身のない女』という都合のいい存在を認めるのは、男性諸君にとって…
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