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第四十二話 遠い道のり。でも、悪くない

「ハイルは?ハイルはどこだ!?」


 ラムネがpove-2の中で、ハイルを探し回っている。

 ルーナや、レイ、コーディが言いにくそうにしているのをルシファーは感じ取れたのか説明してくれた。


「……ハイルはなぁ、逃がしてくれたんだよ、僕らを」


 そう言って少し窓から外の方に目をやる。


「レイ、、ハイルの気配、感じる?」


 ルーナがそう聞くも、レイは首を横に振る。


「感じない、悪いな、あいつ氷馬とか言ってたけどありゃ、異常だよ。速すぎる。」


 レイがそういうと、ルシファーが教えてくれた。

 どうやら、ルシファーが少し焦ったのは全く魔力を感知できなかったからである。それは、自分以上の強者。つまり、魔力が規格外であり測定できなかったのか、それならまだいいが、厄介なのは魔力がゼロのこと。


「なるほど、そん奴がいるのかよ、」


 コーディが運転しながらそう言って、納得した。

 一先ず、レイ達はハイルの父であるアイザック達の元に急ぐ。

 ルシファーは窓の外を見届ける。


(早く、、来いよなハイル……)


 ――――――――――――――――――――――


「ねぇ!なんでこんなことになってんの?」


 ノラがそう言って、俺を見る。

 俺たちは薄暗い路地裏で身を潜めていた。

 なにやら、国というかお偉いさんのところで何かあったらしく国の警備隊が血眼になって、俺とノラ、プラスで氷馬も何故か追われているらしい。

 なんであいつ追われてんねん。


「人が減った。今のうちに行こう!」


 そうして、俺はノラの手を掴んで走り出す。


「よぉ、ハイル。」


 道の角を曲がっその先に、知っている人物が立って待っていた。


「お前!?」


 それは、氷馬だった。


「なんのつもり?」

「なんのつもりって、、なんのつもりだろうな……」

「なんでお前がしらねぇんだよ」


 とぼけるのもいいところである。

 そうして、俺はノラに説明をした。


「そうなんだ、、じゃあめっちゃ強いじゃん、」

「2人とも、ここは協力といこう。

 俺は里に帰りたい。お前らは元の国に帰りたい。それでいいよな?」

「いいよなって、信用できるかよ、」


 俺がそういうと、俺の手に付いていた手錠の残りを取ってくれた。


「これで信用したか?」

「……わかったよ、」


 そうして、俺は一先ず氷馬を信用した。


「能力は?」

「無能力。力が馬鹿力だ。」

「でも、魔力とは少し違う、、」


 俺がそう言うと、少し驚いたように氷馬がこちらを見る。


「12歳、、すげぇな、分かるのか。大罪スキル、憤怒を持っている。能力、魔力は無いが、身体能力がずば抜けていいんだ。大罪スキルは魔力とは違うオーラ、気配だからそれだろうな。」

(だから、ずっと何か起こってる感じがしたのか、)


 なるほど、いろんな能力が世界にはあるな。

 というか、この世界には神話の生物、生き物がいる。

 ここは、異世界ではなく未来の地球。

 という事は、俺のいた世界であった御伽話とか想像者である程度再現できるんじゃ……


「あのさ、ハイル。私、付いていっていい?」


 ノラがそう言ってこちらを見る。

 帰る場所がないのか、分からんけど詮索はしないでおこう。


「もちろん。来るなら歓迎するよ、」


 そうして、俺たち3人は協力してここから出ることにした。


「なぁ、それはいいとして、もう囲まれてるぞ?」


 氷馬が辺りを見回すと、警備隊が俺たちを取り囲んでいた。


「どうすんだ?」


 氷馬がこちらを見る。

 決まっている。


「指鉄砲……」


 俺がそう言って、構えたその時、氷馬はうなづいた。


「そう来なくちゃ……」


 戦闘が始まる。

 俺は難なく、ファエトンや能力を使って倒す。

 氷馬は、フィジカルで撃破。

 そうして少しずつ数が減っていくと、


「片付いてきたか……」

「くらえ!」


 後ろから警備隊の1人が、攻撃をしてくる。それを俺が吹き飛ばすも、その方向にはノラがいる。


「まずい、ノラ!」


 俺がそう叫ぶよりも早く、ノラは能力を発動させる。


逆罪反鎖(リバース・フェッター)……」


 そうして、腕をかざすと攻撃をしかけてくる警備隊がまるで磁石の反発のように跳ね返り、透明の鎖によって拘束されてしまう。


「能力……私の、」

「やるね!」

「うん!」


 そうして、笑顔で俺を見るノラ。

 何か、彼女のあの鎖……コーディの糸に似ていたり、俺の強制解除の時に出る鎖にも、少し似ていた。

 気のせいか……


「片付いたな。」


 氷馬が辺りを見回す。


「なぁ、氷馬。

 お前の体術とかは、ほんとすごい。だから、俺に少し教えて……欲しい」


 そう頼むと、氷馬は少し笑みを浮かべていた。そんな気がした。


「まぁ、、お前らを国に送るまでな、」

(こうなったのは、俺のせいだしな。)

「ああ!」


 そうして、俺たちはバミューダを目指す。


「けど、ここから徒歩だと1カ月かかるぞ?」

「そんな遠いの!?

 1週間で行こう。」

「行けるか?」

「いや、3日。」

「ノラ、それは無理。」

「遠い道のりだな……まぁ、悪くないか、」


 そうして、3人の旅が始まった。








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