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94絶望と絶望と絶望だけがある街、バランタイン

 

 例の事件から七日が経過した。

 今日も何も変わることはない。


 今日も、黒い雨は降り注ぎ、連日雨は降り注いだ。


 山のふもとには、黒い人型の物体を握る男が佇むのみ。


 あたりは、ただただ、雨の降り注ぐ音だけが響き渡る。


 動くものは何も見当たらない。

 黒い雨水は山の上から黒い滝のように流れ落ちる。


 佇むだけの男にも容赦なく降り注ぐが、男が動く様子はない。


 男は、今日も黒い人型の物体の手の部分を握りしめ、ただ一点を見つめる。

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