前へ目次 次へ 96/142 94絶望と絶望と絶望だけがある街、バランタイン 例の事件から七日が経過した。 今日も何も変わることはない。 今日も、黒い雨は降り注ぎ、連日雨は降り注いだ。 山のふもとには、黒い人型の物体を握る男が佇むのみ。 あたりは、ただただ、雨の降り注ぐ音だけが響き渡る。 動くものは何も見当たらない。 黒い雨水は山の上から黒い滝のように流れ落ちる。 佇むだけの男にも容赦なく降り注ぐが、男が動く様子はない。 男は、今日も黒い人型の物体の手の部分を握りしめ、ただ一点を見つめる。