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93絶望と絶望と絶望だけの街、バランタイン
この辺りは、文章の短い節が続きます。
例の事件から三日が経過した。
何も変わることはない。
今日も、黒い雨は連日降り注ぐ。
山のふもとには、黒い人型の物体を握る男が佇むのみ。
あたりは、ただただ、雨の降り注ぐ音だけが響き渡る。
動くものは何もない。
黒い雨水が山の上から黒い川のようになって、佇むだけの男のすぐそばを流れていく。
男は今日も、ただ、ただ、黒い人型の物体の手の部分を握りしめながら、元々街があったと思われる場所の一点を見つめるだけだった。




