前へ目次 次へ 94/142 92絶望と絶望と絶望の続く街、バランタイン 例の事件から二日が経過した。 何も変わることはなかった。 今日も、山のふもとには、黒い人型の物体を握る男が佇んでいる。 黒い雨は止むことはない。 男がただ一点を見つめるその先には、一面の白と黒のモノトーンの世界が広がっている。 山のふもとで、黒い人型の物体を握る男は、生きているようだが微動だにしない。 黒い雨は、山のふもとに佇む男にも容赦なく降り注ぐ。 それでも男はただ街があった場所の一点を見つめるだけだった。