78新たな任務とカレンダー
67話辺りから徐々にこの物語の核心に入っていきます。
未だ魔法陣の設置の任務はあるが、任務が終わった後は宿屋ブルーに戻り、休憩を取っている。
せっかく、宿屋ブルーに戻っているのだからと、毎晩、ダメもとで、ご主人様の部屋をノックするが、いつも不在だ。
今日も、ノックするが、やはり・・・
ガチャ
と、思いきやドアが開いた。と思ったが、中から出てきたのはタリスカーだった。
「残念ですが、本日は、ご主人様はこちらにはおりません。おそらく本日は戻ってこないと思います。」
「そうですか・・・。」
と、踵をかえし、戻ろうとする竜真だが、タリスカーが呼び止めた。
「せっかくなので、お茶を入れましょうか。」
「えぇ、ぜひ。」
ご主人様の部屋には、応接間にもなっている。竜真と葵が中に入って、ソファーに腰掛けると、ふと、壁にかかっているカレンダーが目に入った。
ちょうど、来週の日付に赤い〇が書かれている。
ちょうどタリスカーさんがお茶を運んできた。
「タリスカーさん。」
「はい?」
「来週のこの日、なにかありましたっけ?」
とカレンダーを指さして、タリスカーに問いかける。
「あぁ・・・何の日でしょうかね?」
と、返答するも、その素振りは明らかに何かを知っている様子だった。
タリスカーは隠し事が下手くそだ。
竜真が頑張って問い詰めるも、うまくたぶらかされて、結局、聞けずじまいだった。
―――
その翌日のこと。
グレンに呼び出され、ガーデンに行ってみたところ、グレンから新たな任務が任された。
前回と同じように、モルトがパーティーをするそうで、その護衛だそうだ。
ちょうど、日時はちょうど来週。
パーティでの護衛任務はいろいろとおいしい。基本的にやることはなく、ヒマなうえ、普段は食べれない高級料理が食べれるからだ。
ただ、ちょっと気になることといえば、その任務の日というのは、宿屋ブルーのカレンダーに〇がつけられた日付と同じだった。