76魔法陣の謎
しばらくは、魔法陣設置の毎日だったが、ようやく、その任務からも解放された。
竜真と葵、任務から解放された翌日にガーデンへと赴くが、顔がげっそりとしていた。もちろんを手抜きで魔法陣を模写していたが、それでもとてつもない集中力を必要とする。
さらに魔法陣を設置する場所は、山奥や、無人島の中など、アクセスが容易ではない場所ばかりだった。
ようやく、任務から解放された今、げっそりとしながらも、魔法陣についての調査を始めたのだ。
まず、魔術といえば、ローゼズ女史、こと、魔女だろう。二人はローゼズ女史のところへと赴いていた。
「うむ、初めて見た。まったくわからん。聞いたことがないの。」
それが、魔女の回答だった。
どうやら、モルトは魔女にもわからない代物を魔導研究所で開発したらしい。
とりあえず、適当に魔術でもかければ、何かわかるんじゃないかということで、二人で地下の広場で実験をしてみることにした。
地下の広場に頑張って魔法陣を模写する。それだけで半日かかった。模様だけでも複雑で、加えて、見たこともない文字がびっしりと書かれている。
そこに、とりあえず、魔術ということで、葵の得意の魔術、魔銃で魔法陣をねらう。
銃口から発射された銃弾は、地面に書かれた魔法陣のど真ん中に直撃し、地面に穴を作った。
それと、同時に、穴の周囲はせっかく描いた魔法陣が衝撃で消えてしまった。
しばらく、二人で様子を見るが、何も起きない。
「なぁ、思うんだが、魔銃だとピンポイント過ぎて、ダメだったじゃないか。
「あたしも、そんなが気がする。」
気を取り直し、消えた魔法陣を修理するが、それはそれで時間がかかる。
頑張って魔法陣を修復し、再度魔術をかける。
「それじゃ、雷撃を撃ちます。」
「待て!、葵、なんか、こう、激しい奴じゃなくて、もっとゆったりした魔術とかないのか。」
「もう、文句ばっかりね。それじゃ、火撃、ファイヤとかどう?」
「あぁ、お願いする。」
葵が、地面にむけた魔法陣に対して、火撃をくりだす。
葵の手から橙色の炎が帆出され、それが魔法陣を直撃する。
「!」
そこで、竜真と、葵は思わぬものを目にした。
魔法陣に直撃した炎だが、そこから炎が思わぬ方向に曲がった。まるで、鏡があるように直角に曲がったのだ。
葵と竜真は互いに顔を見合わせる。
「どいうこと!?」
「俺に聞くな!」
さっそく、これはと、魔女様を呼び出し、見てもらうことにした。
魔女の前で再度、葵は魔法陣向けて火撃を繰り出すと、見事に直下に炎が反射する。
「なるほど、受ける魔術を反射する魔術がある。葵ならわかるじゃろ。これはそれとよく似ておるな。つまりは、魔術を人が発動することなく、自動で魔術を反射する地面というところじゃろうか。」
「だから、この地面に当たった魔術が、反射したように見えたのね。」
魔女は魔法陣に近づき、それを眺める。
「詳細はわからぬが、この複雑怪奇な模様、文字が『魔導回路』を構築しておるようじゃの。」
「つまり、この魔法陣は、流れてきた「気」を反射するように組まれた魔導回路ということね。」
「そうじゃな。」
「ということは、他に魔法陣に組まれた魔導回路によっては、魔術を反射する以外にも、魔術をその場に溜めたり、分散させたり、ということができそうね。」
「あぁ、そうじゃな。何を考えておるのか勝手だが、モルトはすごいものを作り出したようじゃ。」
葵と魔女は「魔導回路」をよく知っているようだが、竜真にはわからない。竜真、一人取り残される。
「葵、あの・・・魔導回路って?」
「はぁ、竜真、そんなことも知らないの。はぁ、魔導回路っていうのは、魔術を発動するときに気を体のなかを通すでしょ?その流れのことを言うの。普通の魔術を放出するタイプならば、体内から集めた気を放出すだけだから、魔導回路っていいうのはとても単純なの。でも、中には、相手の魔術を反射する魔術もあったりするわけ。そういう魔術の場合は、受けた魔術を体内で気に変換して、体の中を流して、再度放出という魔導回路が必要になるわけよ。で、この魔法陣は、その魔導回路を絵にした、というものかしらね。」
「は、はぁ・・・。」
「くッくッくッ、魔導回路も奥が深い。遥か昔はの、魔術といえば、複数人で発動させるる大型の魔術であったのだ。だからこそ、複数人の気を同期するため魔導回路を試行錯誤していたのじゃ。魔導図書館に記録が残っていよう。」
「ほんと!?おばあちゃん、竜真、行くよ、魔導図書館。」
「あ、あぁ、」
そう言われて、葵に手を強引に手を引かれて連れてかれる竜真だった。




