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刀と魔術 ~ある小さな武士が魔術と出会い、自身の高みを目指す物語~  作者: Hayase
異国の地バランタイン:宿屋ブルーのご主人様との出会い
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54初任務

 竜真と葵は、毎日、魔術と武術訓練の日々を過ごしていた。


 そんな折、グレンから初任務の話が出てきた。

 話があるからと部屋に呼び出された。


 部屋といっても、ガーデンの白に統一された綺麗な部屋ではない。例の洞窟のような地下通路にある部屋だ。

 どうやらガーデン内部はバランタインの王族やモルト様、そしてのその世話人や一般兵が居住する場所のようである。

 特殊部隊の人間はあまりに人には見せたくないらしく、この洞窟のような地下を拠点にしているようだった。


 薄暗いランプの灯る土臭い部屋に入ると、グレンの身に纏う白い衣が、橙色に照らし出されていた。

 フードからのぞける顔の一部は、目がつりあがり、やはり、悪事を考えている悪役のようにしか見えない。


 ふと、グレンとの一瞬、目が合うと一言指示が出た。


「初任務だ。モルト様と王族の皆様の護衛だ。」


 そこから、グレンは任務の詳細を語る。


 内容はモルト様がとあるパーティに参加するというもの。

 バランタイン王家と他国の貴族たちが参加する立食パーティーだそうだ。

 もちろん、護衛部隊や親衛隊を立たせて護衛をするが、いつどこで何が起きるかわからない。

 そのため、パーティに参加するバランタイン家の貴族に紛れて二人もパーティー参加者に紛れ、王族の方々、モルト様の護衛を密かに行うという。

 パーティは二週間後とのこと。


「お前たちには、護衛が紛れていると思われないように、貴族として常識、振る舞いをこの二週間で叩き込んでもらう。」


 といわれ、竜真と、葵はガーデンに泊まり込みでバランタイン王家の貴族と同じ生活をすることになった。

 専属のメイド、執事がつき、身の回りの世話してくれた。

 来ている服が豪華になった。

 食事がとても庶民の者とは思えない程、高級なものになった。


 そこまでは良かったのだ。何が大変だったかとえば、言葉はまだいい。貴族としての正しい言葉づかいができるまで復唱させられるだけ。

 食事は大変だった。今までまともなテーブルマナーを二人とも知らない。

 目の前に大きなお皿の中央にちょこんと魚料理にソースをかけたものなどが出てくるが、適当にフォークで食べようものならば、すぐ脇に控えているメイドと執事が手をはたき、


「そんな下品なことなど、高貴な者がしてはいけません。」


 と、永遠に食事が出来なかった。おかげさまで少し痩せた気がする。

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