22古京での生活
そんなこんなで、大東道場の門下となり、一日が終わった。
大東道場は、原則五日はこのような日課で、朝から夕方までみっちりで、晩になると多少の時間ができた。
週のうち、残り二日は自由行動となる。
門下生同士で練習試合をするもの者もいるが、竜真は、この二日の自由行動を魔術修行の時間に当てることにし、例の葵のアジトを訪れ、魔術修行の修練をするのだ。
大東道場に来てからは、剣術修業に、魔術修行にと、比較的忙しいながらも、生活自体は平和な毎日だ。
柚多さんに教えを乞いながら、剣術修業を行い、門下生とも打ち解けた。
門下生同士で模擬戦もやったりするが、もともと、実力では中伝くらいの力量を持っていた竜真は、徐々に頭角を現すのだ。
そして、週末の二日間は葵の元へ出かけ、魔術修行へ出かける。
最初はコツをつかむために、例の洋館で特訓をしていたが、ある程度コツがつかめるようになると、葵のアジトで特訓をするようになった。
まだ、魔術が使えるというレベルではないものの、気を集中することができるようになり、指先を気を集中させると、ほんのり淡い光が漏れるぐらいにまでに成長した。
そこからは、実践編ということで、火を出す修業に移行したのだが、全くうまくいかない。一方で、敵の攻撃を予知する特殊技能も、魔術の一つということで、そちらも特訓し、より精度をあげる訓練を行ったりしていた。
そんな平和な毎日が続いた。
ただ細かい事件などはあったが、挙げるときりがない。
他道場との交流試合でそれなりの成績を残したこと。
剣術の技量が認められ、門下から、下伝、そして、中伝へと異例の速度で位を取得できたこと。
イケメンの柚多さんは町の女性たちにモテるのだが、二股どころか三股をかけていてたのがバレて修羅場になったこと。
例の洋館で久しぶりに修業した際に、特殊技能の察知能力の精度が上がり、気配を察知して、その方向へ行ってみたら、本当に白骨化した死体を発見してしまったこと。
そんなまじめな話や、笑い話、洒落にならない話があったりしたが、平和な日々を過ごすことができたのだった。