郷に従う
強盗事件から3日が過ぎた。
「ハァッ!」珠劉の雄叫びとともに刀と刀がぶつかり合う。
「もう少し力を入れてください。」
「おう!」
珠劉は千崎に剣の修行を受けていた。
「おにぎりできたわよー」
旅館の一角中庭に面する縁側に大皿を持った未来が座りそう呼びかけた。
「休憩にしましょう。」
二人は刀を鞘に収め未来の方に向かう。
「うめぇ!」
珠劉がおにぎりをむさぼる。
「急いで食べるとむせますよ。」
そう言って二人もおにぎりを食べる。
「しかし珠劉が急に剣術指南を要求するとはおどろいたわ。人間界の大半は戦闘自体に乏しいと聞いてたから。」ふと未来が聞く。
「この前の強盗の一件でな。元いた世界でも剣を操るような行為はしていたけどあくまで競技としてだったから戦闘は初めてだったんだ。魔法とか霊術とかはわからないからな、護身のためにも身につけておいて損はないだろ!」そう言って珠劉は微笑んだ。
「ならばこの刀をあげるわ。」禍々しく布に包まれた刀を持った未来が言った。
「貴方なら納得です。」
「千崎まで...そんな凄そうなの申し訳ないよ。」
珠劉がぼやいた。
「男は黙って受け取る!」
「へいへい」
それから何時間か修行していたときだった。
「おお、やってんなぁ。」
空から剛速で東麓が飛んできた。
「東麓。遅かったわね。」未来が言う。
「悪いな。女の子も遊んでてよ」
「女の子!?」
各話が少し短いですがだんだん長くなると思います。