“大丈夫”の裏側
「」→少女
『』→少年となります。
なんとなく、なんとなくだけど、電話をかけてみようと思った。
『もしもし?』
不思議そうなあいつの声が聞こえる。
「あ、もしもし?急にゴメンね」
『うん。びっくりした。…で、どうした?』
普段電話をかけない私だからこそ気になったのかな。
でも、いつも声をかけてくれるのは君だったっけ。
「んー、これといって用があったわけではないんだけどね〜」
何があったか、私は言えない。
だから笑ってごまかす。
「たださ、声が聞きたくなったんだ。」
最後に。と心の中で付け足す
もう聞くことのないこの声を頭に焼き付けようと。
『声なんていつも聞いてるだろ?
なんかあったのか…?』
不安そうな声。
やっぱり君は優しい。いつも気づいてくれる。
でもね、
「んーん!“大丈夫”だよ!
あー、そろそろいかないとなぁ〜。楽しかったよ!ありがとう!大好き。』
また“大丈夫”に隠した。
でも、最後に大好きだって伝えられて…よかった、な。
あぁ、おやすみなさい。
“大丈夫”と笑い続けた少女はついに疲れ切ってしまいました。
誰にも頼れず、最後に愛の言葉を残して。
こうはならないでくださいね。