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人でなしと最強少女のサディスティックなハーレム生活  作者: たかまち ゆう


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第66話 禁断の言葉

 私達は、森の、かなり深くまで歩きました。


 こんな場所に、マニに取り憑かれた子供がいるのでしょうか……?

 もしも、近くに野犬などがいたら、襲われてしまうかもしれません。


 マニに取り憑かれる子供は、精神的に弱っていることを思い出しました。

 今から会いに行く子供も、家族と不仲であるなどの理由で、家に居場所がないのかもしれません。


 かなりの時間をかけて歩いて。

 少し開けた場所に出ると、そこには、金髪の子供がいました。


 子供は、私達の気配に気付いて顔を上げます。

 その瞬間、私の全身が震えました。


「カイザード……!?」


 私が叫ぶと、金髪の少年は、驚いた様子で目を見開きました。


 少年の顔を凝視して、私はすぐに我に返りました。

 よく見れば、少年の顔は、カイザードにあまり似ていません。

 ただ、幼かった頃のカイザードと、髪の長さやウェーブのかかり具合などが似ていただけです。

 私は、恥ずかしくなってしまいました。


「ミーシャ」


 突然、彼が妹の名前を呼びました。

 その口調から、嫌な予感がします。


「御主人様……?」

「そのガキを殺せ!」


 彼は、そう叫びました。


 時間の流れが、ゆっくりとしたものに感じられました。

 彼の指示を聞いたミーシャは。

 一瞬の後に、金髪の少年を切り刻みました。


 少年が倒れ伏した後、私は絶叫していました。


 何が起こったのか、全く理解できませんでした。

 殺した……?

 ミーシャが……?

 何の罪もない少年を……?


 あまりのことに、私は訳が分からなくなり、叫び続けました。

 そんな私の髪を、彼が掴んで強く引っ張り、さらに私の頬を張り飛ばしました。


 倒れた私を、彼は罵ります。


「この……クソ女! まだ、くだらない男のことを覚えているのか!? 何が俺の妻だ! お前に、俺以外の男のことを考える権利があると思っているのか!」


 そう叫びながら、彼は、私のお腹を蹴りました。


「!」

「何が定住だ! 俺の楽しみを邪魔しやがって! お前は、俺の言うことを、黙って聞いていればいいんだ! 余計なことを考えるな! 自分の頭がいいとでも思っているのか!? 俺は、そういう女が一番嫌いなんだ! 女は、男を楽しませる以外に価値のない、ただの捌け口だ! それが分からない女はゴミだ! 分かったか、この役立たず!」


 彼は、ひたすら叫びながら、私のお腹を、繰り返し蹴りました。

 私は、身体を丸めるようにして、両腕でお腹を庇いながら、ひたすら耐えました。


 何度も私のことを蹴った彼は、こちらを、肩で息をしながら見下ろし、最後にもう一度、私を蹴りました。


「二度と俺に逆らうな! 意見するな! それができないなら、さっさと死ね!」


 言いたいことを言って、彼は、来た道を戻ろうとしました。


 私の頭の中で、何かが壊れたような気がしました。


 上体を起こして、彼の後ろ姿を見ます。

 自分の誤りを悟って、私の頭の中は、後悔で一杯になりました。


 何故、私は、どうでもいいことばかりを考えてしまったのでしょう?

 魔女の思惑?

 情報の真偽?

 そんなことに何の意味もありません。


 明らかです。

 この男は、最低最悪の人でなしです。

 一刻も早く抹殺しなければなりません。


 躊躇は要りません。

 手段を選んでいる場合でもありません。


 この男の能力を受け取ると、少女達を苦しめなければ、生きていけなくなってしまう?

 そんなことは関係ありません。

 解決策が必要なら、後で考えればいいのです。


 私は、殺すべき人間を殺すことを、ためらってしまいました。

 そのために、犠牲者を出してしまいました。


 何も迷う必要などなかったのです。


 彼は、女のことを、欲望を満たすための、人形のようなものだとしか思っていません。

 そして、子供に対して、何の価値も見出していません。

 そのことは、他人の子供だけでなく、自分の子供についても同じなのです。


 この男は、存在してはいけない。

 この男を殺すことができるなら……どのような犠牲を払っても構わない!


 私は全力で叫びました。


「深淵の魔女よ……」


 私の言葉を聞いて、彼は弾かれたように振り返りました。

 その顔は、目を剥いて、恐怖に塗り潰されているように見えました。


 彼の口が動き始めています。

 ひょっとしたら、異変を察知して、少女達に、私を殺すように命じようとしているのかもしれません。

 その隙を与えず、私は、魔女から教えられた言葉を叫びました。


「私は破滅を望みます!」

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