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人でなしと最強少女のサディスティックなハーレム生活  作者: たかまち ゆう


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第59話 魔力の源

「教えていただきたいことがあります。あの男は、少女達を支配していますね?」

「そうだな」

「ですが……彼は、大人の女性にしか興味がないようなのですが?」

「あの娘達が大きくなれば、自分にとって都合の良い、理想の女になると期待したのだろう」

「……そうでしょうね。ですが、彼は、あまり気長な性格ではありません。そんな回りくどい手段を用いる必要はなかったはずです」

「自分にとって理想的な女を、一から作ればいいとでもいうのか? 新たな人間を生み出すための魔法によって消費する魔力は、人間にとって桁違いだ。だから、マニに魂を食われた少女の身体が必要だったのだろう」

「ならば、大人の女性の魂を破壊して、代わりの魂を入れれば良いのでは……?」

「魂は、本来、肉体と不可分なものだ。マニだって、自我が確立していない子供にしか取り憑くことができないだろう? しかも、取り憑く対象は、精神的に弱った子供だけだ。大人の魂を破壊しようとすれば、肉体にも大きな損傷を与えてしまう。代わりの魂を入れても、そのまま死んでしまうはずだ」

「では、魂を入れ替えたりせずに、精神を支配するなどして、誰かを一生支配し続ければ良いのでは?」

「あの男には、それができない理由があった」

「それは、どのような理由ですか?」

「理由は聞かない方がいい」

「……どうしてですか?」

「聞けば、お前は必ず後悔するからだ」

「……」


 もっと追及すべきか迷いましたが、私は、攻め方を変えることにしました。


「では、例えば……彼が手に入れた能力で、黄金を生み出すことは可能だったのでしょうか?」

「可能だった。だが、人間に限らず、無から物を生み出す能力は、魔力の消耗が激しい。あまり現実的ではないな」

「では、石を黄金に変えることは……?」

「それも消耗が多い。現実的ではないだろう」

「……それならば、黄金の鉱山を発見して、それを掘り出すことは?」

「可能だった。だが、あまり良い稼ぎ方だとは思えない。鉱山の発見、移動、掘削、掘り出した鉱石の運搬、そして売却。それらを全て魔法で行おうとすれば、魔力がいくらあっても足りないだろう」

「……」


 やはり、簡単に話は進みません。

 しかし、私は諦めませんでした。


「黄金が手に入らなかったとしても……欲深い人は、お金を手に入れようとするものではないでしょうか?」

「そのようだな」

「お金を持っている男性というのは、女性から好かれるようですね?」

「そのようだな」

「であれば、お金に換えられる生き物を狩って、稼げば良いのではないでしょうか? そうしていれば、大人の女性に好かれることも可能だったでしょう? 普通の男性ならば、そういう方法を考えるのだと思います」

「あの男は、そういう方法を思い浮かべることができなかったのだろう」

「そうでしょうか? 彼は、ボルボル鳥のことを知っていたんですよ? 少女達の能力を抜け目なく生み出した彼が、そのことに気付かないとは思えません」

「失敗は誰にでもあるものだ」

「では、貴方が、今まで力を与えてきた人間は? 全員が、そのことに気付かなかったのでしょうか? 貴方から力を受け取った方々が、お金を手に入れることではなく、人々を苦しめることを選んだ理由が分かりません」


 私の言葉を聞いて、魔女は、すぐに答えませんでした。

 そして、少し経ってから、じっとこちらを見ました。


「お前が知ろうとしていることは、知ってはならないことだ。これ以上探ろうとすれば、後悔するぞ?」

「あのような恐ろしい能力を、隠し事をされたまま、受け取るわけにはいきません。教えていただけないのであれば……私は、彼の元を去ろうと思います」


 これを言ったら、魔女は諦めて、姿を消すかもしれないと思っていました。

 しかし、魔女は姿を消しませんでした。


「そこまで言うなら、話してやっても構わない。だが……もう一度言う。必ず後悔するぞ?」

「構いません」


 私がそう言うと、魔女はため息を吐きました。

 それから、私のことを見据えます。


「お前は、魔力が何から生み出されているか、知っているか?」

「……いいえ。ただ、魔力とは、生命力のようなものだと聞いたことがありますが……」


 私は困惑しました。

 一体、私の疑問と、魔力の源との間に、どのような関係があるのでしょうか?


「魔力は、生物の感情から生み出される」

「……感情?」

「そうだ。通常であれば、人間は、自らの感情を魔力に変換して、余れば放出し、足りなくなれば周囲から吸収する。だが、私が力を与えた者は、自身の感情を魔力に変換する能力を失い、同時に、周囲の魔力を取り込む能力も失ってしまう。さらに、魔力を失えば、その途端に死ぬ運命を抱えて生きることになる」

「何ですって……!?」

「それだけではない。その者は、魔力を生み出すために使える感情を、周囲の者が発した一種類だけに限定されることになる。よって、能力を受け取った者は、その感情を生み出すことを第一に考えた言動を行うようになる」

「その感情とは、まさか……『恐怖』ですか!?」


 私は、ようやく核心に迫ったと思い、尋ねました。

 しかし、魔女は首を振ってから言いました。


「違う。『恐怖』は私のための感情だ。私から能力を受け取った者が用いるのは『苦しみ』だ」

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