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人でなしと最強少女のサディスティックなハーレム生活  作者: たかまち ゆう


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第56話 虹色の髪

「さて……これで現状が把握できただろう? あいつらは、俺から離反したわけでも、お前の味方になったわけでもない」

「……それが本当だったら、何だと仰るのですか? 諦めて、自分に身体を委ねろとでも?」

「本当は、そう言いたいところだが……お前にチャンスをやろう。逃げたければ、今のうちに逃げればいい」

「……何ですって?」

「俺から逃げたいなら、女達がいない今しか機会はないぞ? お前が逃げ出して、あいつらが帰ってきたら、俺は、お前のことは忘れるように命じるつもりだ」

「……そんなことをしても無駄でしょう? 御主人様にとって、私を解放することが得にならないかぎり、あの子達は、私を探そうとするはずです」

「あいつらは、強力な魔法を操ることは可能だが、ただのガキであることに変わりはない。お前が全力で逃げれば、セーラが匂いを追っても、追い付くことは不可能だ。必要なら、お前が乗合馬車を使うための金くらいはやってもいい」

「……とても信じられません。今度は、何を企んでいるのですか?」

「これは俺の本心だ。お前がいなくなっても、ミーシャを代わりにすればいい」

「!?」

「マリーも、姉そっくりに育てば、俺を満足させられる女になるだろう」

「……呆れました。結局、そうやって私を脅すのですね」

「お前は何を言っているんだ? 俺は、お前を脅すつもりはない。むしろ、お前がさっさと逃げ出さないことが、不思議でしょうがないくらいだ」

「そんなこと、出来るはずがありません!」

「何故だ? あいつらは、お前の本当の妹ではない。それは、中身が別人になったミーシャだって同じだ。他人がどうなっても、お前が気にすることはないはずだ」

「ですが、あの子達は、私のことを姉として慕ってくれています」

「……まさか、忘れたのか? あいつらが、あの男を殺して、その死体を消し去ったことを」

「……」


 無論のこと、カイザードのことは忘れていません。

 私は唇を噛みました。


「それと、これは今のうちに言っておく。俺は、お前1人だけを妻にするつもりはない。他の女が育って用済みになったら、お前のことは捨てるかもしれないぞ? それが嫌なら、俺の前から姿を消すことだ」

「……」

「あいつらが帰ってくるまでに、よく考えてみるといい」


 私は彼の部屋を出て、ロビーに行きました。

 彼はあんなことを言いましたが、今さら逃げ出すことなど考えられません。

 しかし……冷静になるにつれて、彼の言葉には、それなりに説得力があるようにも思えてきました。


 少女達は、カイザードのことを平然と殺して、消し去りました。

 つまり、あの子達は、私のお願いなど聞いてくれないのです。


 ルナさんが助かったのは、ナナが協力してくれたおかげです。

 しかし、彼女が即死しなかったことは……彼の考えによるものか、あるいは、偶然によるものでしょう。

 ルナさんが助かったことだけを根拠に、少女達を信用するのは、やはり甘い考えなのかもしれません。


 だとすれば、あの子達は今でも、彼の思いどおりに動く人形のようなものです。

 そんな彼女達を助けるために、あの男の捌け口として扱われ、ミーシャ達が成長したら放り出される……そんな人生を送るのは絶対に嫌です。


 一体、どうすれば良いのでしょうか?

 私は頭を抱えたくなりました。


「悩んでいるようだな?」


 突然、隣に座っていた女性が言いました。


 私は、驚いてそちらを見ました。

 一体、いつから、ここにいたのでしょうか?


 不思議な印象を抱かされる人です。

 虹色の髪が広がっており、神秘的にも思えました。

 人間の髪は必ず一色になると言われており、実際に、一色の人しか見たことがないのですが……。

 顔立ちは整っていて、綺麗な人なのですが……現実離れしているようにも思えます。


 この女性は、只者ではないような気がしました。

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