表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人でなしと最強少女のサディスティックなハーレム生活  作者: たかまち ゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/82

第45話 生命の価値

 私は、必死に彼を説得しようとしました。


「確かに、私達の利益にはなりません。ですが……!」


 私の言葉を聞いた彼は、こちらを見下すような目をしました。


「だったら尋ねるが、お前は、あのガキを、どうやって助けるつもりだ?」

「それは……あの子の親を説得して……!」

「無駄だな。自分の娘に暴力を振るって、マニに取り憑かれるほど追いつめた親だぞ? 他人が説得して、改心するはずがないだろう?」

「必死に訴えれば、ご理解していただけるはずです!」

「話にならないな。くだらない。何の根拠もない妄想だ」

「とにかく、あの子のご両親に会わなければ……!」

「無駄だと言っているだろう? ガキの親を殺して、お前が面倒を見るというなら、まだ理解できるが」

「とんでもないことを仰らないでください!」

「そうだな。それだって、少しはマシだという程度の話だ。要するに、俺にはあのガキを助けるつもりはないし、お前には、そのための手段がない。そんなことも理解せずに、これ以上、無駄な話を繰り返すつもりなら……今までよりも厳しい罰を与えるぞ?」

「構いません! 悲惨な境遇の子供を助けられないなら、殺された方がマシです!」

「……いい覚悟だ」


 彼は、私の顎を持ち上げました。

 それから、気持ちの悪い笑みを浮かべます。


「お前は美しいな。ミーシャも、お前によく似ている。きっと、お前の母親も美人だったのだろう?」

「……母は、私が幼い頃に亡くなったので、きちんと覚えているわけではありませんが……とても綺麗な人でした」

「つまり、お前の父親は、美しいからお前の母親を選んだというわけだ」

「父は、そのような人ではありません! 侮辱しないでください!」

「俺は、当然のことを言っただけだぞ? 男ならば、より美しい女を求めるに決まっているではないか」

「違います!」

「違うものか。もっと現実を見ろ。お前は、その歳になっても、夢物語の中で生きているのか?」

「人を容姿で差別するなど、恥ずべきことです!」

「それだ。男は、女のことを外見で判断する。だから、不細工な女に生きている価値はない」

「何ということを……!」

「俺の言っていることが間違っているなら、どうして男達は、お前に惹き付けられると思っているんだ? お前が住んでいた町で、言い寄ってきた男が何人もいたのだろう? この町の男達の視線にだって、気付かなかったわけではあるまい? この前、ミーシャに殴れらた男だってそうだ」

「それは……」


 私は、彼の質問に対して、上手く反論できませんでした。

 徐々に、彼のペースに嵌って、気圧されてしまったのです。

 そんな私を見て、彼は満足そうな顔をしました。


「お前は、男から必要とされている。俺からもだ。それは、お前に価値があることを意味している。だが、あのガキはどうだ? 男からは必要とされない。親からも必要とされていない。ならば、あのガキのどこに存在価値がある?」

「酷い……! そのような言い方は、なさらないでください……!」

「いいや、言ってやる。女の価値は、男に必要とされるか否かで決まるものだ。同じように、ガキの価値は親が決める。要らない女とガキは死ねばいい」

「……!」


 あまりにも酷いことを言われて、私は耐えきれず、大声で泣き出してしまいました。

 ミーシャに嫌いだと言われた時以来の、幼い子供のような、我ながら酷い泣き方です。

 ですが、私には、これ以上耐えることができませんでした。


 さすがにまずいと思ったのか、彼が、私の手を強引に引っ張りました。

 そういえば、私達は、まだ町の外に出ていません。

 外から来た女が、子供のように大声で泣いているのですから、住民はさぞ驚いているでしょう。


 妹達も見ている前で、大変みっともないことだと思います。

 ですが、今まで色々なことを辛抱していた分まで、私は涙を流しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ