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人でなしと最強少女のサディスティックなハーレム生活  作者: たかまち ゆう


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第35話 ミーシャの暴力

 レベッカを見送って、私達は、街中で夜を待つことにしました。

 ナナやマリーが、興味を惹かれた物の方に行こうとするので、彼は何度も引き留めました。

 この街には人攫いがいるかもしれないので、私も少女達の動きに気を配ります。


 すると、1人の男が、こちらに近付いてきました。

 その男は、明らかに私のことを見ていたので、嫌な予感がしました。


「おい。あんた、どこから来たんだ?」


 男は、軽薄な笑みを浮かべながら言いました。


「……」


 私は、その男を無視しました。関わりたくない相手だと思ったからです。


「おい、無視すんなよ。あんた、この辺りの人間じゃないだろ? 結構、いい家の生まれって雰囲気だぜ? そうだろ?」


 そう言いながら、その男は、私の肩に手をかけました。


「!」


 私は、その男を、思わず睨み付けます。

 見ず知らずの女性に、勝手に触れるなど……何と無礼な男でしょう!


「お姉様から離れなさい!」


 ミーシャが、激昂した様子で叫びます。

 私は、驚いて妹の方を見ました。


 私と同じように、そちらを見た男は、不快そうに舌打ちしました。


「何だよ、ガキは引っ込んでろよ。俺とお前の姉貴は、これから大人の楽しみを色々と……」


 男が全てを言い終わる、その前に。

 ミーシャの拳が、その男の腹部に突き刺さっていました。


「……ぐはっ!」


 男は、私から手を離して、苦しそうに腹を押さえます。

 続けて、ミーシャは、男の顎を右拳で殴り付けました。


 男は、その一撃で気を失い、地面に転がります。

 私は、信じられない気分でミーシャを見ました。


 私の本当の妹だったミーシャは、知らない人と会うと、私の後ろに隠れてしまうような子でした。

 そのミーシャが、男を殴り倒してしまったことも驚きですが……既に別人になってしまった彼女が、誰からも命じられていないのに、私のことを守ろうとしたことが一番の驚きでした。


「お姉様、お怪我はありませんか?」


 ミーシャが、心配そうに尋ねてきます。


「……問題ありません。ミーシャ、無礼な相手に対してであっても、あまり乱暴なことをしてはいけませんよ?」


 私は、本物の妹に対しては、一度もしたことのなかった注意をしました。


「ですが……」


 ミーシャは困惑した様子です。

 自分が注意を受けた理由が、理解できないようでした。


「スピーシャ。俺の奴隷に余計なことを言うな」


 彼が、不快そうに言いました。


「ですが……このような大きな街で騒ぎを起こせば、警備隊に捕らえられる恐れがあります!」

「安心しろ。この程度の騒ぎであれば、これ以上大きくなることはない。俺の力を甘く見てもらっては困る」


 彼は、ニヤリと笑いました。


 そういえば……周囲の人は、往来で騒ぎが起こっていても、関心がない様子です。

 この街が荒んでいて、騒ぎが珍しくなかったとしても、幼い少女が男を殴り倒して、注目されないはずがありません。

 私には、とても不気味な現象だと感じられました。


「その男……本当は殺してやりたいところだが、さすがに、こんな場所で人が死ねば大騒ぎになるからな。仕方がないから見逃してやろう」


 そう言ってから、彼はミーシャに歩み寄り、彼女の頭に手を載せました。


「よくやったぞ、ミーシャ。これからも、俺のコレクションに無断で触れるような男は、躊躇せずに殴ってやれ」

「はい、御主人様」


 ミーシャは、嬉しそうな顔をしました。


「……御主人様。ミーシャや他の妹達に、むやみに暴力を振るわせるのはおやめください」


 私が抗議すると、彼は鼻で笑いました。


「お前は、信じられないほど能天気な女だな。あのまま、誰もお前を助けなかったら、どうなっていたと思っているんだ?」

「……交際をお断りして、終わりでしょう?」

「それで済むと思っているのか? 人気のない場所に連れて行かれて、凌辱されるに決まっているだろう? 俺とミーシャのおかげで、無事で済んだことに感謝するんだな」

「……」


 この男……ひょっとして、そのような行為に及んだことがあるのでしょうか?

 彼の口調から、そのようなことを思ってしまいました。

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