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混交世界ージョインー  作者: 月陽ひかげ
4/5

これからについて

 

 結果だけ言えばオレはケイコに施されていた爆焔術式(ばくえんじゅつしき)の解除が出来なかった


 調べたところ、ケイコは()()()()()がかけられ、それがお互いに干渉しあって1つの大きな術式になっていたからである


 さらにいくつかの術式は隠すそうに施されていて、オレが発見出来なかった物もあるる可能性もある

 なので下手に解除出来ない


 美琴は

「あなた、が、調べ、て、発見、した、物が、すべて、よ」と


(こういったことは情括の連中にやってもらいたいものだ…)

(そういえば、情括がオレを引き抜きたがったな?頑張ってもらいたいものだ)

(しかしそうなったらミリアと同じ課か…それはそれでイヤだな…)


あの娘(ケイコ)の面倒を誰がみるかだが」

 思案するギルバート課長


 あのあと三人でもどり結果を報告

 今は今後についてだ


 術式は解除出来なかったが発動しないようには出来た。つまり不発弾、本来の発動条件以外の予想外の理由で発動する可能性がある。なので誰かがそばにいて対応しなければならない


「阿倍、しばらくお前が面倒を見ろ」

「オレですか?」

「そばについて解析を進めろ。いつまでもあのままではいかんし、いくら発動しないとはいえ放置はよくないな…」

「いくらなんでも男の部屋で面倒みるのは…レミィとか美琴では?」

「お前、そうゆう趣味なのか?」

「そんなわけあるわけないでしょーーー!!!!」

 ひどい誤解だと思う阿倍


「オレだと発動したら被害を防ぎきれません」

「発動しないようにしたのだろ?()()()()()()


 阿倍がギルバート課長と話をしてると

 部屋の扉が開き入ってくるミリア

「失礼~しま~す、阿倍っちは~~いたいた~」


 オレを見つけると近づき封筒を渡す

「これは~頼まれてたの~」

「あぁ…あっ!?あれか!!|手帳(あれ)はもう必要なくなった、きちんと申請することになった」

「へぇっ???どうゆうこと???」

「・・・バレた」

「ふぅ~~ん、だけど報酬もらうわょ~、そ・れ・と・フフフッ」

 上機嫌で満面の笑みのミリア、そして後ろに隠していた一枚の紙を出す


「じゃ、じゃ~ん、許可!!降りました~、と・い・う・こ・と・で、今晩は、よ・ろ・し・く」

 さらに詰めより、胸をそしつけようとするミリア


 阿倍は振り返りギルバート課長の方を見る


「了解しました!!オレがケイコの面倒を見ます!!!」

 姿勢をただし敬礼


 そんな態度の阿倍に困惑するミリア…

 改めてミリアの方を見る阿倍


「すまんな、オレ、任務であの()の面倒を見ないといけないから」

 ケイコの方を指さす阿倍

 指さす方を見てケイコを発見するミリア


「子供と住むわけだし、そういった事は、なっ!」

「そんな~」

 落胆するミリア


 が、懇願するように

「阿倍っちの部屋じゃなくて、私の部屋にならね?ね?ね?」

「詳しい事は言えないが、常に、なるべくそばにいないといけないから、そうゆう訳にもいかない」

 ついに膝から崩れ項垂(うなだ)れる


 遠くのほうで

「どうしたの?」

 訪ねるケイコ

「なんだろね~?」

 応えるレミィ



 夕方、仕事を終えケイコを連れて帰宅する


 オレの部屋は2LDK、それなりの広さだ、1部屋は寝室兼仕事部屋、もう1部屋は物置になっている


 そんなに物を置かないのでちょっと片付ければ布団がひける

 取り敢えずそこをケイコの部屋とした


 ケイコはレミィとか美琴と一緒の時より少し緊張して警戒している

(やはり男の部屋はいやだよな…)


 ケイコの警戒を和らげるための食べ物で釣ることにした

(妖狐だし、油揚げとかかな?)

 と、言うことで晩御飯は狐うどんになった


 狐うどんを作っている間ケイコはおとなしくテーブルに座ってまっていたが狐うどんが出来て持っていったとたん


「これ!!食べていいの!?」

 と、もう期待に満ちた顔になった

 しっぽなんかすごい勢いで振っている


「ああ、それはケイコの分だ、召し上がれ」

 そういったとたん

「いっただきっま~す!!」

 一気に食べ始めるケイコ


「んっ~~おいしーー!!」

 満面の笑みで食べ始める、なので

「あ~オレの分も食べるか?」


 オレは好物であろう油揚げを差し出すと

 目をキラキラさせながら

「いいのー!!もらっちゃっていいのー!!」と、大喜びだ


 そして食べ終えると

「あ、ありがとう…」

 照れぎみにお礼を言って来たのでオレはケイコを頭を撫でてやった

 多少は仲良くなれたのかケイコはうつむき恥ずかしげだ


 食事が済んだのでお風呂にはいる事になった

 オレは「一人で入れない」とケイコが言い出すのではと警戒していたがそんなことはなく一人で入れるようだった


 しかし着替えがないことに気づき仕方がないからオレの服を着せてやったがだいぶブカブカである。そして着ていた服を洗濯する。明日も着るためだ


 お風呂から出でしばらくテレビを見たケイコだが次第にうとうとし始めたので寝かしつける事にした


 布団に入るとすぐに寝息を立てて眠りつく、頃合いを見て部屋を出ようとするオレ


 すると

「母様…」

 涙を流し寝言を言うケイコ

(やはり寂しいんだな…)

 部屋を後にするオレ


 翌朝、朝食を済ませ昨日着ていた服に着替えてさせケイコと出勤する


 ケイコをレミィと美琴に預け情括課に向かう。昨日の今日であまり調べれてはいないと思うけど取り敢えず行くことにした


「昨日の今日だがなにかわかったか?」

「わかんないよ~」

 ご機嫌斜めなミリア


 昨日、ケイコの素性を調べるよう依頼

 しかし、ケイコの情報がまったくわからなかったのである


「流石にわからないか」

「む~!あまり情括をなめないでよね~」

「すまない…それで」

「ミツドウケイコって見当たらないのよ~」

「母親は?」

「う~ん、そもそも~妖狐って30年ぐらい前に一人いただけだし~」

「なら、その人の子供が母親では?」

「どうだろ~?」

「ちなみに名前は?」

「タマキ、吉備(きびの)(タマキ)

「吉備?」

「そっ、あの吉備家~で行方不明になってるの~しかも夫婦揃って~だからたぶんタマキって人は関係なくて~別の種族登録されてない人が母親じゃないかな?」


 種族登録

 つまり自分が亜人であり、種族はこれであると登録することである。基本的には親の種族を継承するがたまに全く別の種族になる。覚醒遺伝だ。そういった者は登録しない事がある。登録するさいはきちんと検査をするので誤認はされない。そして、登録しない事自体は多少の罰則はあるがそれほど大きなものではなく、ただ違反金を払うぐらいだ


 これは昔、種族の対立で、争いが耐えなかったことが原因だったりする


「可能性は高いのか?」

「そっちの可能性の方が~高いぐらい~だって吉備家でしょ~そもそも妖狐を嫁入りさせるかな~?むしろ未登録の人がいて~その人の子供って考える方が現実的かな~」


「そうか…なら住民登録のほうから調べてみるのは」

「そっちもやるつもりだけど~情報が膨大になるから~数日はかかるよ~場合によっては~ケイコちゃんの身元わかるのに~1ヶ月ぐらいかかるかもよ~最悪わからないかもよ~」


 一般的に住民登録と種族登録、両方きちんしているものはおよそ人口の半分、なぜなら種族登録だけで身分証明になるからだ。なので住民登録しない者もいる、そして住民登録する者の大半は種族登録していない


 住民登録で親は登録してるけど祖父は登録されてないとか、よくある話である


「すまない、なるべく早く調べてくれ」

「いいけど~、ご褒美とかあったらな~」

 こちらを見て何か言いたげだった


「・・・わかった、ケイコの身元がわかったら相手をする」

「そうこなくっちゃ♪」

 ガッツポーズまでしたミリア


「ただし1回だけだ」

「もちろんそれでも構わないわよ~」

 かなりご機嫌な様子


「いまさらだか別にオレでなくてもいいんじゃないか?いつも限界まで我慢してオレが相手するようにしているみたいだけど…」

「阿倍っちは特別~ううん、阿倍っちがいいの~」

 ドキッとする阿倍


「お前…それってまさか…」

「阿倍っち以上に()()()()()()()そうそういないし~」

「はっ???いや、いるだろ」

 驚きと呆れたなんともいえない表情


「いないわよ~あのね~人族って判定されても~多少他の種族が混ざってるって事は~よくあるの~見た目人族の姿していても~で、阿倍っちて~魔術や術式使える以外はフツーの人族なの~ちょ~レアなの~」

「そうなのか…」

「他の()が~阿倍っちの事知ったら~今いる相手全部捨てて求めてくよ~それこそちょっとした戦争になるぐらいかな~」

 絶句する阿倍


「だから~私もギリギリまで~我慢して~阿倍っちと~交渉してるじゃない~」

「・・・誰にも言うなよ」

「言うわけないじゃい~」


 自分の事について初めて知った阿倍



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