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森の小屋の前に作られたテーブルでタツヤは座学をライオに学んでいた
「この世の全ての存在はマナで出来ているこれを発見したのがディグリーだ。これにより世界は大革命を迎えたとされているそれが今から100年前の出来事」
そうこの世界すべてのありとあらゆる存在はマナから出来ていた遺跡の石板ではこの世界は一人の神によって作られたとされておりその者自らののマナを爆発させ大魔法世界創造を行ったとされているその際にこの世界をマナを元に作ったとされている。故にこの世界の人、石、植物、魔物 果ては髪の毛、血の一滴までマナでできている。
「ゆえに我々は魔法を発動することによって、体内のマナを使いありとあらゆるものを創造し変化させることができる、ただし我々には一人一人体内の変換率が違うのだ。同じマナ量でも火に変換しやすい者もいればマナを水に変換し易い者もいる」
マナには変換率が存在しているゆえに人は体内のマナを使用してありとあらゆる物を理論上生み出すことができるのだが人が人をマナで生み出すなどの無茶な創造をすると変換率が著しく悪いため通常ではそのような事はできないとされている
「一つの例外もなく迷い人もこの世界に迷い込む際体がマナに変換されている筈だゆえにタツヤお前もこの世界では魔法が発動できるはずだ」
「魔法・・」
自分に魔法男なら一度は使ってみたい夢ではあるがこれが今現実にものになるのか
「ではまずはお前の変換率を見る必要がある訳だが基本的に変換効率は心の奥底に眠るものに作用されてくる目を閉じ楽にするんだそして自分のうちにある血の流れを感じろ体の中心から体の隅々まで血が流れているのがわかるだろうそしてその流れを指先に集中するんだ」
するとタツヤの右手人差し指から小さな火がともったそれは小さな火だったがタツヤがこの世界に来て初めて使用した魔法だった
「でたっ自分の指から火が」
「お前の変換率が一番相性の良い属性は火だ火属性は風の魔法もある程度使用できるが水魔法の変換率が著しく低い事を覚えて置け」
初めて魔法を覚えてから数日が立った
毎日数時間の座学のおかげで魔法についての知識はある程度深めることができた今後は魔法ではなく国や地理、一般常識について教えてくれるそうだ
この数日で使えるようになった魔法は火の魔法の初歩 火球 のみだった
ライオには数日で火球を使えるようになるとはやるなと褒められたものの狩りで使用するライオの魔法を見た自分では全然すごいとは思えなかった
あとこの世界には魔物がいるのだ今まさに昼飯として食しているのだがこれが中々うまい分厚い肉を焼いて丸かじりとは前の世界ではなかなか味わえなかっただろう人型の魔物を食すのは気が引けるが動物型の魔物ならまだ抵抗なく食べることができる。
あとライオとラナがなぜこんな森を奥で生活してるかということが気がかりだが深くまで突っ込んで聞くのは気が引けるため聞けてはいないまだ自分一人ではこの周辺の魔物には手も足も出ないのだから
それでもいつかはここから旅立たなくてはならないだろういつまでもこの2人に厄介になるなる訳にはいかないのだから・・・
「あら兄上お帰りなさい狩りはどうでしたか?」
「あぁいつも通りだ」
「いつ見てもライオさんの雷魔法の轟雷はすごいボアックを一撃だからな」
ボアックはいのししに似た魔物でいのししの数倍はあろうかという巨体を武器に外敵がいると気を薙ぎたしながら突っ込んでくる初めて見たときはちびりかけたものだ。
ラナさんが作ってくれた晩飯を食べながらふとライオさんに言われたこととを思い出した
前に自分はライオさんになぜ自分を助けてくれるのか聞いたことがあったのだが
その時に「せっかく助けたにもかかわらず無駄死にされては困るからな」と言われてしまった
早く生きる力をつけなくてはと思わせる一言だった
まだ魔法は火球しか使えないけれど・・
それよりさらに20日が立った
生き物を殺す事を最初は戸惑い精神的にきつかったが生きるためだと思い
狩りを覚えライオさんから魔法の初歩を学び
魔法の習得状況はこうなった
火属性
火球=こぶし大の火の玉
火炎=火を噴射する
風属性
旋風=相手がひるむ程度の風が吹く
火球は火の玉の大きさをある程度コントロールできるようになり数も3個くらいなら同時発動できるようになった
火炎は使いやすい魔法で体の任意の場所から火を噴射することができる大体射程は自分の2歩前くらいまでだろうかこれもなれればもう少し射程と威力が伸びそうだ
風属性初歩魔法の旋風は大型の魔物には効果が薄いが小型の魔物ならひるむ程度の風を起こすことができる目に見えないので先制攻撃で使用しひるんだところを火炎、火球で仕留めることが多くなってきた
この世界にはレベルなんてものもステータスなんてものも存在しない
修練を重ねるうちにマナの上限はなんとなく増えていくそうなので日々の修練は欠かせないものとなっていた
生きる目標もなくただ自堕落にすごいしていたあの頃よりも少しずつだけど強くなっていくそんな日常がそんな毎日に夢中になっていくのだった
だがタツヤは知らないこの後起こる惨劇を