転生したのはいいが詐欺だった
神「転生させてやると言ったな。あれは嘘だ」
俺の名前は語るまでもない。昔のことだと割り切った。俺は神様のミスとやらでトラックに跳ね飛ばされ、前人未到の36回転捻りを成功させたのはいいが丁度走っていた電車の背中に着地。次の駅で降り、そのまま何事もなかったかのように帰ろうとした時、『痴漢ー!』という声と共に横から衝撃を感じ、線路に落下。出発した電車に轢かれないように向こう側のホームへ逃げたのはいいが、駅員に捕まり、そのまま話を聞いてもらえず警察署へ行くことに。だが、そのまま銀行強盗の逃走犯とカーチェイスをする事になり、逃走犯が銃を乱射。警察に肉壁として扱われて死亡。
神様の謝罪やらなんやらあって、転生することになった。童貞で18未満だった俺はAVを見たことがなかった。だから俺は頼んだ。
「AVを沢山見れるようにしてくれ」
そう頼んだ。だが、ちょっと予想外だったんだよ。
「アンアンアンアン♡」
いや、まさかカメラになるとは思わなかったわ。
撮影者は歴然のカメラマン。なんでも、AV業界では最高峰に居るとかなんとか。いや、確かにね、毎回毎回撮影が終わったら丁寧に手入れされるし、使ってない時も丹念に手入れされて愛されてるってのは分かるけどね? なんで付喪神になってるのさ。
俺はもっとこう……ほら、男優とか、ね? 普通そっち想像するでしょ? だけどさぁ……なんでカメラなんだよ!
機械だぞ! 機械だぞ! 機械だぞ!
性欲? 食欲? 睡眠欲? 人間の三大欲求? なんじゃそりゃ?
AVを延々と見れる?
裏のメイキングとかも見れて、ワクワクが残念だわ! てか、転生だぞ! なんで生き物以外になってるん!
嘘だと言ってくれよ!
ちくしょう……転生なんて糞食らえ!
10分クオリティ。
転生乙。