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異世界で第二の人生始めます  作者: ユキサキ
6/22

ハジメテ 3

現実世界が嫌だから異世界に行きました! 2

ハジメテ 1

大きく変えました。見てない方は見てください。


女の子が出ますよ~!


カノンはご機嫌だった。


「いやぁ~。やっぱり格好付けるのは最高だな~!」


先ほどのゴブリンの神隠しの件。

当然したのはカノンである。

ただ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ただ思いっきり剣を振るったらああなった。

正直ビビった。

でも顔には出さない。出したら格好悪い。

いやぁ。それにしても格好良かったな俺!

ビュォォォンって走ってすぐにゴブリンを倒す!

いいねぇ!

.....カノンはある時を境に、急に格好付けたくなったのだ。

.....正確にいうと中学2年生の時から。

彼は気付いていない。自分が厨二病を患っていることに。

夜な夜な格好良い(カノン判断)セリフを考えてはニヤニヤしていたことなど、彼しか知らない。

中でも気に入っている設定があるのだが、それはまた別の機会に。


ご機嫌のまま、王都に帰還。

冒険者ギルドの扉をくぐる。

瞬間、話し声が聞こえだした。


『あれが「命知らずのルーキー」か?』

『あぁ。冒険者ランクが1のくせに緊急クエスト行ったっていうバカだよ。』

『装備が汚れてないからありゃ怯えて帰ってきたな?」

『ハハッ!「命知らずのチキンルーキー」になったな!」


ガハハッ!という笑い声が聞こえる。

あぁ...。そういうことか。

俺があれからゴブリンを見てきただけだと思っているのか。

まぁ。どうでもいいけど。


受付のお姉さんのところに行く。


「あっ!カノンさん!結局行かなかったんですね!良かった~!」


受付のお姉さん...名前ぐらい聞こう。

ネームプレートを見る。『ネメリー』と書いてあった。

ネメリーさんか。良い名前じゃないか。

さて。

ネメリーさんを驚かせるか!


「あっ。それなんですが。ゴブリン、もう倒しましたから。」


「え?」

『え?』


エメリーさんと他の冒険者の声がハモる。ちょっとおもしろい。


「...カノンさん。嘘はいけませんよ?」


優しく諭すように言われる。すごい悲しい気持ちになる。

く、くそぉ。泣かないぞぉ。


              ・・

「嘘じゃないですよ。ちゃんと跡形もなく倒しましたから。」


「ですから...!」


エメリーさんと口論になりかけた時。

ガタンッ!と大きな音を立てて冒険者ギルドの扉が開かれた。

中に鎧を装備した騎士みたいな人が入ってくる。

鎧には鳥のようなものが翼をひろげているような紋章が書かれていた。

ん?なんかあの紋章、見たことが...。

あっ。『鳳凰の翼』だ。

どうしてこんなところに?


「失礼する!私の名前はアイガール!ここにウタカタ=カノンという人物はいるか!」


え?俺?


「はい...。俺ですけど。」


「あなたが...!

 この度は私達『鳳凰の翼』を助けてもらい、感謝する!」


「あっ。いえ。別に良いですよ。」


「ゴブリンの軍団を一人で倒すなどということをした人は歴史上、あなただけだと思う!

 本当に凄かったぞ!」


「そうですか。ありがとうございます。」


この会話を聞いて。

冒険者ギルドが騒がしくなるのは言うまでもない。

理由は二つ。

『鳳凰の翼』はよほど事がなければ一般市民には話しかけない。それほどプライドが高いのである。

そんな『鳳凰の翼』が一般市民、しかも泥臭い冒険者に感謝を述べるというのは異常な光景なのである。

しかも、『鳳凰の翼』が言ったのだ。

「ゴブリンの軍団を一人で倒すなど」

と。それは、カノンが一人でゴブリンを倒したということが裏付けられることになり。


「エメリーさん。報酬をください。」


「えっ。あっ。はい...。報酬の500000¥です...。」


「私からも感謝の報酬を渡したい!」


どうでもいいが、アイガールは「!」が多すぎるのではないかと思う。

ノンストップハイテンション。止まらないハイテンション。

まぁでもありがたくもらっておこう。


「ありがとうございます。アイガールさん。」


「あの時あなたが来てくれなかったら私達は全滅していたでしょう。

 罵声をかけてしまったこと、心から謝罪したい。」


そういってアイガールは額を床に付けた。そして深々と頭を下げる。

一般的にいう土下座である。


「本当にすまなかった!!!」


ポカーンとしてしまった。

いや、だめだろ!騎士団って王直属の偉い人じゃなかったっけ!?

慌てて止める。


「い、いや!もう本当にいいですから!感謝の気持ちは伝わりましたから!」


「そうか...!それなら良かった...!」


スッとアイガールが立ち上がる。

ふぅ。一時はどうなるかと思ったぜ。

とここで。

ポカーンとしていた他の冒険者が言葉を発した。


「お、おい!本当にこいつがゴブリンを倒したって言うのか!?」


アイガールが答える。いちいち胸に手を当てんでもいいだろ...。暑苦しいおっさんだなぁ。


「本当だとも!前線で戦っていたこの私が言うのだ!確かに私は見たぞ!」


一人の冒険者が否定的な発言をしたからか。

他の冒険者が次々と叫び出す。


「そうだそうだ!たかがランク1でゴブリンの大群を倒せるわけねぇんだ!」

「どうせ嘘でも付いているんだろ!」


「この私が嘘を付いていると言うのか!!!」


アイガールと冒険者が口論を始めてしまった。

あちゃ~。収拾つかなくなるぞ。

とその時。


「その通りだ!」


凜とした声が冒険者ギルドの中に響く。

皆一斉に入口を見る。

そして一斉に青ざめる。カノン以外。

カノンは感動と驚嘆が入り交じった顔で声の発生源を凝視した。


「おい、アイガール!これはどういう事だ!」


「い、いや。これはですね...。」


「私は!ウタカタ=カノンを連れてこいと言ったんだ!誰が謝れと言ったか!」


「す、すみません...。」


何故ガイアールほどの者がここまでかしこまっているのか。

当然である。

今彼が対面している女性は

『鳳凰の翼』騎士団長だからである。


「貴様がウタカタ=カノンか。私は『鳳凰の翼』騎士団長のリアだ。

 我々『鳳凰の翼』の標的を勝手に倒すという侮辱をした!どういうつもりか説明してもらおうか!」


とやや怒りっぽい口調で畳みかけていた時。

カノンは別の事を考えていた。

だって。

リアが。

・・・・

金髪碧眼だったから!


「ひゃっっっっっほっっっっっいぃぃぃぃぃ!!!!!」


この日。カノンは初めて金髪碧眼の女性に出会った。


_______________________________


うぉぉぉ!!!

金髪!

金髪碧眼!

さらにたわわなメロンボール!!!

鎧からはみ出してるやんけぇ!

すげーすげーすげー!!!


「なっ!なんだっ!急に叫び出して!話を聞いていたのか!」


「いえ!全く聞いてませんでした!」


「ふざけるなっ!これだから庶民は嫌なんだ!」


ありゃりゃ...。嫌われちゃったなぁ.....。


「どんな手品を使ったかは知らないが、貴様は我々の邪魔をした!

 よって死刑とする!」


「はぁ。死刑か。」


「あぁそうだ。『鳳凰の翼』に命を捧げられるのだ。光栄に思え。」


「.....逃れる方法は?」


「.....そうだな。

 我らが『鳳凰の翼』の副団長と闘い、勝てば考えてやらんことでもない。」


ニヤッと挑発的な笑みを浮かべてくる。

普通ならイラッと来るが、さすがは金髪碧眼。何にもイラッとしない。


「自信満々に言うって事はやっぱり強いんですよね?」


「あぁ!単純的な火力であれば私を上回るほどだ!」


リアさんの強さを知らないのでなんとも言えないが。


「.....分かりました。ようは勝てばいいんですよね?」


「.....ほう。その自信はどこからくるのか不思議でたまらんな。

 その自身が恐怖に変わる瞬間が楽しみだ。」


「じゃあ早速闘いますか。」


「ふっ。闘う以外に貴様に選択肢はないがな。」


そして俺はリアに連行された。

.....アイガール。お前も連行するのか。

ちゃんと僕ちゃん一人で歩けるもん!

というかマジで下ろして!恥ずかしいから!


「ら、らめぇぇええぇえええぇぇぇ!」


俺の叫びは空の彼方に消えていった。


_______________________________


連行されてから30分くらい経った。

闘技場みたいなところで闘うらしい。

一般の人も見られるようにしてあるらしい。ちょっと緊張する。


「おい!闘いの時間だぞ!いつまで座っているのだ!」


リアが俺を呼ぶ。

何か扱いが酷いような気もするがどうでもいい。

金髪碧眼最高!


連れてこられたのはコロッセオの真ん中みたいなところ。

闘うところだな。うまく説明できないな。なんて言うんだろ。


「今から貴様は副団長、ゴモレスと『決闘の場』で闘ってもらう。」


あっ。『決闘の場』って言うんだね。


「負けの条件は「降参」と叫ぶだけだ。分かりやすいだろう?」


「まぁそうだな。分かりやすい。強さを照明すれば良いんだな?」


「あぁ。私はあいにく貴様がゴブリンを倒したところを見ていないからな。

 貴様がゴモレスに勝てば貴様の強さを認めてやろう。」


「りょーかい。」


俺は『決闘の場』に向かった。


..........

.....

...


『決闘の場』に向かうと先にゴモルスがいた。

へぇ~。ゴモレスさん女だったのか。

サイズはアップルくらい。リアの後だから小さく見えるな。

闘技場には人がたくさん集まっていた。

各々が応援のメッセージを送っている。

主にゴモレスへの。


「ふん。遅れてくるとは良い度胸だな。」


あっ遅れたんですね。ごめんなさい。


「まぁ良い。すぐに終わらせてやろう。

 なんなら私のステータスを聞くだけでもいいんだぞ?」


この世界の人もステータス分かるんですね。良い情報、ありがとうございます。


「はぁ。じゃあ聞かせてください。」


「聞いて驚くなよ。

 私は先日...」


ゴクリ。


「...攻撃力が500を超えたのだ!」


「え?」

『え?』


カノンと客が同じ反応をする。

客の驚きは...


『マジかよ、スゲー!』

『やっぱりすごいなぁゴモレスさんは!もう500を突破したのか!』

『ゴモレスさん素敵~!』


カノンの驚きは...


「少なっ!」


期待はずれだな。もう一発もらうか。


「おいゴモレス。俺に思いっきり剣振ってみろ。避けねぇから。」


「なに...?」


ビキビキと青筋が出てくる。


「貴様ァ...!私を侮辱しやがってェ!

 その体!切り裂いてくれる!」


怒りに身を任せて走ってくる。

客はこれから起こるであろう惨劇に怯えた。

が。

それは杞憂であった。


ゴモレスが放った斬撃をーーー

攻撃力500というゴレリスの斬撃をーーー


ーーーカノンはあろうことか右手の人差し指と中指で受け止めていたのである。


「うわ!何これ軽っ!やっぱ500は低いなぁ。」


普通。

剣を受け止めるとき、相手以上の攻撃力がないと出来ない。

・・・・・・・・・・

この世界で攻撃力最強のゴモレスの斬撃をいとも簡単に受け止めるなどありえないのである。


おそるおそるゴモレスが聞く。


「貴様...攻撃力はいかほどなのか...?」


「ん?俺か?」


わざと声を大きくする。


「200000超えたよッ!」


それと同時にゴモレスにデコピンを当てる。


ドゴォォォォォン!!!


すさまじい衝撃と共にゴモレスが壁にぶつかる。

思い切りめり込んで、ゴモレスはとっくにのびている。


「ありゃ。そういえば勝つ条件が「相手に降参と言わせる」だったな。

 起こさねぇと。」


そう言ってゴモレスに近づいていく。

そして胸ぐらを掴み、軽くビンタをする。

軽くしたとしてももの凄い威力である。


「っ!

 グ、グフ!何が起きたんだ...!」


「俺が伝家の宝刀『デコピン』をしたんだ。もう一回くらいてぇか?」


「っ!それは...!」


「いいから言え。「降参」って。」


「誰が..!」


「うるさいな。

 じゃあこうしよう。

 今から俺が地面を殴る。その後に同じ威力で今度はお前の顔を殴る。

 お前は降参と言うだけだ。簡単だろ?」


「何を勝手に...!」


カノンが闘技場の中心に行く。

カノンが拳を振り上げた。

瞬間。

                   ・・・・・・

カノンの拳が消えたかと思うと、闘技場の地面が砕けた。


『ヒィィィィィ!』


その場にいた人全員が驚き怯える。


「よし。こんなもんか。

 んで?お前は降参するのか?」


カノンがゴモレスに問う。


ゴモレスは何のことが分からなかったが、先ほどのカノンの言葉を思い出した。


『今から俺が地面を殴る。その後に同じ威力で今度はお前の顔を殴る。』


それは言い換えればーーー

ーーー「死にたくなかったら降参と言え」と言われているのと同じであった。


「わ!分かった!降参するから殴らないで~!」


ゴモレスが可愛い声を出した。

客は目の前で起きたことが信じられないような表情をしていた。


「お~い。リア~。」


審判をしていたリアを呼ぶ。


「な、なんだ...?」


「ゴモレス降参って言ったよな?」


「っ!確かに言ったが...。」


「んじゃあ俺の勝ちってことで。」


「ちょっと待ってくれ!」


「ん?」


「お前は一体何者なんだ...?」


「あぁ。俺か。俺はな...。」


ここで格好付ける!

ポーズを決めて叫ぶ。


「元自宅警備員のモンスタースレイヤーだッ!」


モンスタースレイヤー。

それは、カノンが「ファイモン」で呼ばれていたあだ名だ。

主に2ちゃんの。

決して厨二病ではない。


それを聞いたリアはポカーンとしている。

まかそうなるかなと思っていたし。


「じゃあな~。」


カノンは手を振りながら闘技場を後にする。

カノンが去った後、闘技場が大騒ぎになったのは言うまでもない。





カノン化け物伝説その1

「攻撃力(この世界基準で)最高のゴモレスを上回る攻撃力で泣かせた」


サイズは分かりましたか?

分かる人は凄いです。

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