魔法使いの勇者?なにそれ? 2
ステータスの変なところ、修正しました。
見てない方は見てください。お願いします。
「「「勇者護衛???」」」
俺とリア、レースの声が重なった。
それも当然だと思う。
昨日。あれから一通りバカ騒ぎしたあと宿に戻り寝た。
勇者がすごく面白い奴ということは分かった。が、
替え玉勇者かどうかは分からなかった。
魔法は使えてたし、やっぱし本物なのかなぁ。
と思いながら目覚めた今日。
「せっかくだからまた3人でクエストに行こう!」
とレースから提案が(リアの否定は無かった。嬉しい。)あったからクエストカウンターで見ていたところ、
『勇者護衛』という変わったクエストがあったというわけ。
ちなみに、俺の冒険者ランクはFから一気にCまで上がった。
ゴブリン軍団を倒した+鳳凰の翼のお墨付きが効いたらしい。
受付のお姉さんが言っていた。
Cっていったらドラゴン系のクエストが新たに登場するらしく、
俺の男心がくすぐられた。
だが、やっぱり危険らしく、
リアとレース二人ともに「やめて!!!」と言われたらやめるしかなかった。
話を戻して。
今俺たちが驚いているのは『勇者護衛』と書かれたクエスト。
なになに。
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勇者護衛
Cランク以上の冒険者へ。
勇者が召喚されたのはみな知っておると思う。
勇者は強い。が、
実戦経験が無く、戦闘が怖いとのこと。
しかし、勇者として、魔物を倒してもらう予定は変えられない。
そこで。
実戦に慣れてもらうべく、実力がある冒険者にパーティーを組んでもらおうと思う。
4人パーティーが主流なため、勇者入れて4人、
つまり3人の冒険者を募集する。
場所は城の前広場にて行う。
今日限りのクエストなので、ふるって参加して欲しい。
※誰にするかは勇者が決める
by王様
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「「「.....」」」
これさ。うん。
やっぱあれだよね。
3人でお互いを見合い、そして叫ぶ。
「「「俺(私)たち専用クエストじゃねぇか!」
ではないか!」
ですね!」
心が通じ合ったある日の朝の出来事でした。
ちゃんちゃん。
俺たちはすぐさま城の前広場に走っていった。
..........
.....
...
「やっぱり多いな人~。」
「だろうな。やはり王直々のクエストだ。報酬を期待しているのだろう。」
城の前広場はとても広そうだったが、人によっていっぱいになっていた。
Cランク多いな。
「リアとレースのランクは?」
「SSだ。」
「Aです。」
上からリア、レースの順番。
お二人ともお強いですね。
『えーコホン。』
ん?なんだ?
辺りを見渡すと広場の中心の所に王様とファロンがいるのが確認できた。
手に持っているのは...何だ?
結晶のような物に声を出しているからマイクか何かだと思うけど。
そういえば前も使ってたような気が...。
『勇者護衛の件をそろそろ締め切ろうかと思う。
さっ、勇者殿。後は頼みます。』
そう言って王様は一歩下がる。
『え、えっと!今日は私のために集まっていただきありがとうございます!』
いいですよ別に。
保護欲が駆られたとかじゃないですから。
『そ、その.....。言いにくいんですが.....。』
何をだ?
『わ、私!男の人が苦手なんです!』
ファッ!?
思わぬカミングアウトに広場にいた全員が呆気にとられる。
『で、ですので!女の人がいるパーティーが組みたいです!』
「はい勝ったぁぁぁっっっ!!!」
思わず叫んでしまった。
周りからじろじろ見られる。すみません...。
「はいはいは~い!ここ女いま~す!」
ついつい大声を出してしまう。
「あぁん!?」
「何だこのガキ!?」
屈強な男たちがこちらを睨んでくる。
と言う声が聞こえたがそれは一瞬。
フフン。俺の噂が早くも知れ渡ったのか。
「ヴァルキリーがいるぞ!?」
「バーサーカーも!?」
「す、すみません、今のなしで!」
ですよねー。
というか。
「可哀想だろ、女の子にそんな異名。」
「分かってくれるのか!?カノン!」
「分かってくれるのですか!?カノン殿!?」
おぉ!?ビビったぁ!
「ちょ!二人とも顔近い顔近いって!」
俺に指摘されてようやく気づいたのか二人とも離れてくれた。
「本当に。私はそんな異名、欲しくないのだがな...。」
とリアが悪態を吐く。めずらし。
「そんなに嫌か?」
「嫌どころじゃないですよ!?
道を歩くたびに「あっバーサーカーだ!逃げろ!」って言われ続けて!
可愛い服もろくに変えなくて!」
「お、落ち着けレース!」
激おこムカチャッカファイアー状態のレース。怖ぇよ...。
そんな俺たちに気付いたのか。
『あっ!カノンさん!』
と言う声が聞こえた。
ファロンがこちらを見て笑っている。
「お~い!俺らにしてくれないか~?護衛~。」
『いいですよ~。』
ふわふわとした感じでOKの返事が。
『あ、えっと...私の護衛決まりました...!』
えぇぇぇぇぇ!?
と広場に驚きと呆れが混ざった声が響いた。
これは俺たちにキレるか?と思っていたが、
「ま、いいか。」
「どうせ期待してなかったし。」
と散り散りになっていった。
案外いい人なのかも、あの屈強そうな人。
「え、えっと...。」
ファロンが呆然としている。
まさか今ので決まると思っていなかったのだろう。
「んじゃ。そういうことで俺らが護衛な。」
「あ、えっと...。お願いします...!」
こうして。
なし崩し的にファロンの護衛は俺たちに決まった。