魔法使いの勇者?なにそれ? 1
本当にごめんなさい...orz
ステータスの変なところ、お気づきになりましたか?
そう。
レベル...orz
前に出したのがレベル55だったんですね。
今は編集しましたが。
本当にごめんなさい...orz
今後ともよろしくございます。
アーツに変えてごめんなさい...orz
アタックスキルがアーツに変わっただけですから!
ふぅ~。うまくいって良かった。
空は夕焼けに染まっており、なんとも幻想的だった。
王都に帰る途中、カノンは安堵していた。
実は。
巨大ゴブリンの腕を斬り飛ばした際、同時にアーツも発動していた。
初級アーツ【スラッシュ】。
「ファイクエ」を始めたときから使えるアーツだ。
威力自体は弱いが、消費MPの少なさと使いやすさから、雑魚退治に使っている。
アーツ全般に言える事だが、
中でも注目すべき点は「威力と速度は攻撃力に依存する」ということだ。
カノンの攻撃力は異常だ。よって、異常な威力と速度になる。
「ファイクエ」はコマンドを入力することで発動出来たがこの世界で発動方法が分からなかった。
しかし、武器はイメージすることで呼び出せた。
ならばアーツもイメージすることで発動できるのではないか?とついさっき思いついた。
正確には巨大ゴブリンにぶっ飛ばされたときに。
奴の攻撃はよく似ていたのだ。中級アーツ【無手・兜】に。
一か八かでやってみたら成功した。
よかったよかった。これでまた強くなれた。
「さきほどの攻撃、上級アーツですか?」
何も知らないレースが聞いてくる。
「.....くれぐれも周りに口外しないように。」
「は、はいっ!」
嘘を付いてしまった。
言えねぇよ!初級アーツだなんて!
そんな会話をしながら王都に帰還。
いつも王都は賑やかだ。
だが、このときはよりいっそう賑やかだった。
『勇者が召還されたんだって!?』
『あぁ、そうだ!今宵は祭りの準備で忙しいな!』
『勇者っておとぎ話だと思っていたよ!』
「ん?勇者ってなんだ?」
「知らないのか!?」
リアが目を剥く。
「昔、王都ラバースーンに災厄が訪れたとき、王が異世界から召喚したのが勇者とされている。
勇者は民の心を救い、その災厄の元凶を倒し、どこかへ消えたという。
この物語は今も王都で語り継がれている。」
「へ、へえ~。そうなのか。」
聞き捨てならない言葉がちらほら。
異世界?召喚?
それって俺なんじゃ...。気のせいか。うん。
「しかし。王が勇者を召喚したとすると...。何か災厄が現れるということなのか?」
「それってやばいんじゃね?」
「あぁ。大きな事態になる可能性がある。」
『民衆よ!』
大きな声が広場に響き渡る。王の従者か?
『このたび!王が勇者の召喚に成功した!』
ウォォォォォ!!!!!
と王都民が大きな声を上げる。
ことの重大さを分かっていない。
『王が召喚した勇者は...。』
皆ゴクリッと唾を飲み込む。
『...魔法を使えるのだ!』
ウォォォォォ!!!!!
と先ほどの10倍はあろう声で民衆が叫んだ。
その声によって王都に住んでいる全員と言えるほどの大人数が広場に集まった。
隣にいるリアとレースも驚いている。
「魔法.....だと...?
魔法は幻想などでは無かったのか...?」
「あの王がわざわざ嘘を付く必要がないですからね...。」
本当だとすると凄いことですよ、これは!」
俺も驚いていた。
いや。
思い出していた。
スキルポイント振るの忘れてた!
俺は急いでメニューを開いて、ステータスを確認した。
=============================================
名前 ウタカタ=カノン Lv25
500000¥
120000スキルポイント
HP 66000/66000
MP 23000/23000
攻撃力 340000
防御力 40000
魔法攻撃力 0
魔法防御力 0
瞬発力 120000
=============================================
めっさ溜まってやんせ...。
でも。
これでやっと【魔法攻撃力上昇・小】が習得できるんだよな。
スキル欄を開く。
そして【魔法攻撃力・小】を覚えた。
その下に【魔法攻撃力上昇・中】が出てきた。
必要スキルポイント340000。
こりゃあれか。倍倍ゲームか。
鬼畜だろこれ...。
【魔法防御力上昇・小】はまた次の機会だな。
もう一度ステータスを見る。
============================================
名前 ウタカタ=カノン Lv25
500000¥
0スキルポイント
HP 66000/66000
MP 23000/23000
攻撃力 340000
防御力 40000
魔法攻撃力 200
魔法防御力 0
瞬発力 120000
============================================
よし。上がったな。
小だし、こんなもんだろ。
とここで。
王の従者らしき人の隣に二人の人が。
「王様だぞ!」
「本当だ!隣にいるのは...?」
「まさか勇者!?」
周りの人、説明ありがとう!
ひげモジャモジャで威厳あふれている王らしき人物が口を開く。
「皆ども!急ながら、集まっていただき感謝する!
今夜に勇者パレード、正式名称『呼応祭』があるが、先に勇者を紹介しようと思う!
紹介しよう!
私が召喚した勇者、ファロンじゃ!」
隣にいた勇者(?)が前に出る。
小柄な体に気弱そうな顔。とても勇者に見えない。
「わ、私が勇者ファロンです!」
小さな声を振り絞って大きな声を出したみたいに自己紹介をする。
あれだな、うん。
保護欲が沸くな。親目線で接しちゃいそう。
周りの人も多分同じ事を考えているのだろう。温かい視線を向けていた。
「え、えっと!まだ災厄は訪れていませんが、王様が占った結果、もうじき災厄が来ると!」
その言葉で民衆が急に黙り込む。
そりゃ当然だ。『災厄』なんて単語が出てきたらビビるわな。
というか王様占いできるのか。
「で、でも!安心してください!私が何とかします!」
その言葉で。
民衆は安心したのか。いつものうるささが戻ってきた。
みんなはあいつが勇者だって思っているんだろう。
でも俺は。
他の可能性を考えていた。
_______________________________
「「えっ!替え玉勇者!?」」
「ちょっ!二人とも静かに!」
呼応祭は凄かった。パレードの迫力が。
いまだ熱気が冷めぬまま俺たちは酒場に入った。
当然文字は読めないので連れて行ってもらったが。
この世界では酒は何歳からでも飲んで良いらしい。
これで俺も大人の仲間ーーー。
子どもの様に「ビール!」と大きな声で頼んでしまったため、
リアとレースに笑われてしまった。
ちょっと恥ずかしかった。
まぁそれはおいといて。
俺はリアとレースに俺が考えた可能性を話した。
「す、すまない...。
だがなんでそんな可能性にたどり着いたのか?」
「いやぁ.....。」
言えるわけねぇよな。「俺、勇者かもしれないんだ。」なんて。
中二病かっ!って言われそうだもん。
嫌だねっ!俺は中二病じゃないんだ!
「.....なんとなく?」
「『.....なんとなく?』じゃ無いだろう!」
リアがキレた。
キレた姿も可愛いのぉ~。
「ま、まぁ。心に取り留めておくだけで良いから。」
「むぅ。カノンがそういうなら....。」
とリアがそう言った。
おりょ?これってもしかしてのもしかするとじゃないのかな?
期待がふくらむ。
『俺』が言うならって事は俺のことを特別視している訳だよな!?
「あ、あと。」
リアが何か言いたげに体をもじもじさせる。
「...何でもない!」
「え?」
「だから!なんでもないと言っているだろう!」
「ご、ごめん。」
なんか怒らせちゃった。ちょっぴり反省。
「フンッ!」
リアさん激怒プンプン丸じゃん。
やべー。やべーよ。俺やべーよ。
俺が焦っていたその時。
酒場のドアが揺れて、一人の少女が入ってきた。
その少女の顔に少し見覚えが.....
「って、勇者じゃねぇか!」
そうだよ!あの気弱そうな顔、勇者だ!名前は確かファロンだっけ?
周りも気付いて驚いている。
リアとレースも。
「ひゃう!な、何でしょう...?」
「い、いや。何でもない...。
なんで勇者がこんな所に?」
「ちょっとお酒が飲みたくて。」
「.....。良かったら一緒に飲まないか?」
「い、良いんですか!?ありがとうございます!」
すごい感謝してもらった。
「良いよな?二人とも。」
「私はカノン殿が決めたことならば。」
「.....勝手にしろ。」
リア、まだ怒っているな。
「ごめんってリア。だから機嫌なおせよ。」
「悪くなど無い!」
プイッとそっぽを向かれた。
おりょりょ。
機嫌下がってしまった。どうしよ。
「そんなこと言わずに。可愛い顔が台無しだぞ?」
「かっ!?可愛い!?」
リアが赤面する。おぉ~。かわええ~。
「そ、そうか.....。」
と言いながら機嫌をなおした。
ちょっとからかったらこれだよ。
可愛いね、リアは!
「えっと.....?」
ファロンがどうすればいいか困っている。
「あぁ、ごめん。さぁ座って。」
「あっはい。」
聞きたいことたくさんあるからなぁ。
今ちょうど会えたんだ。全部聞こう。
「ファロンってさ。魔法が使えるんだよな?」
「は、はい。」
「どうやって使うのか?」
「え、えっとですね。
魔法が使える才能がある人にはステータスに魔法攻撃力と魔法防御力という欄があるのです。
魔法攻撃力は魔法の強さを。魔法防御力は魔法に対する抵抗を表しています。」
ふむ。ここまでは俺が想像してたのと同じだ。
「また、魔法攻撃力は『創造力』にも関わってきます。」
「「「『創造力』?」」」
3人の声が重なる。
「はい。
魔法というのは火とか水とかを手のひらから出すみたいなイメージがありますけど、
正確には違います。
魔法は『イメージしたものを呼び出す』という力なのです。
私が今、手のひらに火がある、とイメージしたらこの店は大火事になってしまいます。
そこで。必要となるのが「詠唱」です。
詠唱により、イメージを固めやすくするのです。
実際に見せますね。」
そう言ってファロンは片手を上げる。
『我が呼び声に応えろ火の神よ
聖なる者は滅さず魔なる者は滅する
精霊の灯火よいざここに』
すばやく詠唱する。
すると、ボワッとファロンの手のひらに青い炎が。
って炎!?危ない店が燃えちまう!
俺があたふたというか酒場にいう全員があたふたしていたら、それをファロンがあわてて制した。
「だ、大丈夫です!この炎は簡単に言うと『私が認めた者しか燃えない炎』なんです!」
その言葉を聞き、皆安心する。
あぶねぇ~。ハラハラしたぜ。
「それにしても!すごい便利だな、魔法!」
「あ、ありがとうございます...!」
「ところで。」
リアがファロンに問いをぶつけた。
俺はご飯でも食べてますかな。
「君の魔法攻撃力のステータスはどれくらいなんだ?」
この料理うめぇな。なんだろ。
もぐもぐ。
「あ、はい。2です。」
「ブグッフフ!!!」
「だ、大丈夫かカノン!?」
思いっっっきり吹き出してしまった。
いや、だって。そうなるだろ?
食べ物を何とか飲み込んでからファロンに聞く。
「ゲホッゲホッ!
...2でさっきの魔法使えるのか!?」
「は、はい。
召喚された時に王様から「君は魔法をつかえるはずだ。イメージしてごらん?」と
言われたので試しにやってみたら火がぶわっと。」
ぶわっと。じゃねぇだろ。王様大丈夫だったのか?
「もしだ、もし。
もしステータスが20になったらどうなるのか?」
「え、ええと。私の計算によるとあらゆる物が創造できるようになります。」
「.....。」
まじかよ...。
「ち、ちなみに。
200になったらどうなるのか?」
「200ですか?ええと...。
おそらく時間を止められるようになるかと。」
「.....。」
絶句。
っていうのはこういう事を言うのかな。
マジで言葉を失った。
やべー。やべー。俺。やべー。
俺は俺自身の強さというか反則さにどうすればいいのか分からなくなった。
はぁ。