手を組む
隼人以外は奥野実玖を知っているようだった。隼人に挨拶を終えると、実玖は皆を注目させた。息を吸い込んで話しだした。
「みんな、聞いてくれ。私が来たことで察しているとは思うが、今回の山は厄介でな。テロ対策本部と二課が手を組む事になった。」
実玖の言葉を聞いて、ざわざわしだした。隼人も不安にかられ、周りを気にしだした。肩を後ろから叩かれ、振り返ると真が立っていた。
「悪かったな。先輩のお蔭で目が覚めたよ。」
「大丈夫なのか、さっきの一発、、、」
「ああ、あれぐらいじゃないと俺は正気を取り戻されなかったよ。」
真は隼人に奥野実玖の事を説明してくれた。
奥野実玖は以前少しだけ真の教育係を担当していたそうだ。その時からビンタという名の教育を受けていたらしい。それが身体に刻み込まれていたようで、ビンタ一つで正気を取り戻したらしい、、、
「俺には、そんなの無理だ、、、」
隼人はため息交じりにうなだれた。
「大丈夫だよ、実玖さんが特別だっただけだし。」
「それよりも、、、」
隼人はさっきの実玖の言葉を思い出して、真を問いただした。
「さっきのテロ対策本部と手を組むって、、、お前どんな電話受けたんだよ。」
「そのことか。」
真はようやく電話の内容について話しだした。