一本の電話
「なんだよ、いきなり大声出して、、」
「いい考え思いついたんだ。」
そう言うと真は、目の前の電話を指差して続けた。
「今から来た事件を解決したら桃子さんに電話かけろ!事件を一つ解決すれば、精神的にも男としても、刑事らしくなるだろ?」
確かに、真の言う事はもっともだな。事件を解決出来れば、俺の気持ちも固まってるだろう。真にしてはいい考えだ。
「そうだな、、、そうするか!」
「そうと決まれば、桃子さんにメールだ!」
「なんでだよっ?」
「遅くなったら、桃子さん達心配するだろ?」
「それも、そうか、、」
隼人は意を決して桃子さんにメールを送った。
―桃子さん、
ごめん、まだ今はまだ桃子さんを迎えに行けない。
でも、待っていて欲しい。俺の初めての事件を解決したら迎えに行く。
桃子さん、はじめ、ゆい、愛してる -
メールを打ち終わると、送信ボタンを押した。
真と隼人は目の前の電話を見つめた。こういう時、運よく電話はかかって来ないもんだ。隼人は、何事もなく過ぎていく時間に痺れを切らした。
「俺が決心したって言うのに、、、一本くらい電話が来てもいいだろ?」
時計を見ると、メールを送ってから三時間が経っていた。また明日仕切りなおすかと思い隼人が席を立とうとした瞬間、電話が鳴った。光の速さで、真が電話を取った。受話器を耳に当ててしばらくすると真の顔色がみるみる青ざめた。
「隼人、こりゃでかい山になりそうだ、、、」