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パパとママ


「ママは優しすぎるんだ、、、」

はじめは桃子の優しさに腹を立てていた。言いたい事があっても我慢して、パパの前では常に笑顔。だから、僕らはパパとママが喧嘩しているのを一度も見たことが無かった。だから、こんな年になっても喧嘩の仕方を知らない。


喧嘩することはいけない事ではない。そう言ったのはママだ。

分かっていて喧嘩が出来ないのは、パパもママも仲直りの仕方を知らない。壊れてしまうのが怖くて言いたいことを言わずにいる。


妹のゆいは野良猫を追いかけまわしている。はじめはゆいを見て笑った。パパが家族を守らないなら、僕が守る、、、

はじめは猫と遊ぶゆいに声を掛けた。


「あんまり遠くに行くなよー。」


はじめの言葉にゆいは大きく手を振って答えた。パパには、分かってもらわなくちゃ、、、どんな手を使っても、、、、その時、はじめのポケットの中のジュニア携帯が振動した。はじめは電話を取った。


「もしもし。」



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