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これが君の望んだこと?
「なあ、真。お前は俺を見捨てないでくれるか?」
「何だよ急に、、」
隼人は弱気な事を言い出した。ずっと家に缶詰め状態にされたから疲れているんだろう。慣れない仕事でお嫁さんは実家に帰っちゃうし精神面でも何か支えになるものが無いと辛いのだろう、、、真は隼人を気遣い優しく諭す様に言った。
「隼人は一人じゃないよ。大丈夫だから。」
隼人は力なく笑うと、立ち上がった。
「早く記憶を集めないと、、、」
「おい、、、」
真は隼人に声をかけた。隼人は返事もせずにパソコンに噛り付いていた。病的なまでの執着心にあの言葉を思い出した。
「仕事なら構ってくれる、、、か。」
真は隼人の後ろ姿を見て呟いた。君の思い通りだよ。隼人は一生懸命に君のゲームに付き合っているよ。でも、こんな事でいいのか?




