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ベランダのひと時


桃子さん、元気そうだったな。真の言う通り、少し休んだお蔭で何だか身体が軽くなったようだ。隼人は大きく伸びをすると部屋の中を覗き込んだ。真は誰かと話しているようだった。もう少し、外の空気でも吸うか、、、

隼人は、ボーっと外の景色を眺めた。交番勤務だった頃は毎日が充実していた。今は新しい職場で右も左も分からない。だから、がむしゃらに働いた。一日でも早く仕事を覚える為に。今思えば、刑事になってから何も考えずボーっと空を見る事も無かったな。


後ろから足跡が聞こえて、電話を終えた真は俺の隣に腰かけた。

「電話、誰から?」

隼人は空を眺めながら聞いた。


「上の奴だよ。仕事の話。」


「そうか、、、」

隼人は呟くと真にお礼を言った。


「ありがとな。久しぶりに桃子さんの声が聞けたよ。真には色々助けられてばっかりだな、、、」


「そんな事無いよ。俺も隼人には色々助けてもらったじゃないか。」


「そんな事あったっけ?」


「ああ。お前は助けたと思ってないから忘れてるんだろうけどね。」

真は皮肉って笑った。



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