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真の気持ち
「にしても、お前と飲むなんて久しぶりだな。」
隼人の言葉に、真は少し照れながら言った。
「俺、お前に家族が出来てから全然飲みに誘ってなかったからな。」
「お前が先に結婚して、独身は俺だけになって、何か置いていかれた感が心の何処かにあって、知らないうちにお前と俺の間に溝が出来てたんだよな。」
真は酒に弱く、酔うと泣き上戸になる。
「大丈夫か?もう、酔っ払ってるのか?」
隼人声に反応して真が答えた。
「俺、お前と久々にチーム組めて嬉しいよ。こんなきっかけでもなくちゃ、俺ずっとお前との距離埋まらなかったから。」
ビールジョッキを片手に真が叫んだ。
「この事件解決して、桃子さんを迎えに行こうぜ!」
真の声にその場の皆が俺達に注目した。
「分かったから、落ち着いてくれ。」
隼人はこれ以上視線を浴びることに耐えられず、会計を済ませると早々に店を後にした。真はアルコールが入っている事もあってか呂律の回らない状態で隼人に話しかける。




