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実玖の怒り
その時携帯が鳴った。画面を見ると、番号だけが表示されていた。通話ボタンを押して耳に当てた。
「、、はい。」
「、、、何処にいるんだ?今何時だと思ってんだ?」
電話に出ると、聞き覚えのある女性の声がした。
この声はまさか、、、時計を見ると、8時回っていた。遅刻だ、、、
俺は電話越しに全力で謝った。電話を切ると職場に向かった。
「すいません!」
開口一番に謝罪した。さっきの電話の主の実玖が隼人の前までヒールを鳴らしながら近付いて来た。隼人の目の前で止まると地の底から響く程低い声が響いた。
「これは、私に対する挑戦と取って構わないという事だよな?」
「すみません、そんなつもりは、、、」
「言い訳は聞いてない!歯を食いしばれ!」
実玖は手を挙げた。その時、実玖と隼人の間に真が割って入った。
「先輩、やばいです!そんな状態でビンタしたら、流石に隼人が死んじゃいますって!今は押さえて!!」
実玖は真になだめられて、少し冷静さを取り戻した。
「おい、新人。ちょっと聞きたいことがある。着いてこい。」




