最後のスイッチ
実玖のお蔭で、隼人と真は捜査会議に出ることが出来た。隼人はまだ不満そうな顔をしていた。真は隼人に小声で尋ねた。
「おい、、、大丈夫か?」
隼人は右頬を押さえて前を向いたまま答えた。
「あんなの受けて、よく平気だな、、、」
「まあ、数こなせば慣れるよ。」
真の言葉に隼人は鼻で笑った。
「あんなの二度とごめんだよ。」
捜査会議では使えそうな情報はほとんどなかった。
何処から漏れたのか巷では博士の名を語った脅迫電話が連日鳴り響いた。
ネットでは、博士の事件を皮切りに過去の警察の不祥事が話題となり、ワイドショーでも警察の対応が問題視され始めた。
幹部連中も火消しに躍起になっていた。
その中で、隼人は気になるものを見つけた。
本当はやってはいけない事なのだが、関係ないだろうとシュレッダー行きになりそうなものを少し拝借した。家に帰って、資料を眺めた。{最後のスイッチ}と言うタイトルの無料で遊べるパソコンゲームだった。
他にも似たようなものはあったがこのゲームだけは、未だにクリアしたという者が一人もいないのだ。他のゲームと違って、このゲームには景品がついていて、皆が景品を手にしようと必死になっているにも関わらず、、、
そんなに難しいのか?
最初はそんな疑問だけだった。隼人は何気なくそのゲームを始めた。




