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夢の代償に失ったもの
「ただいま~。」
念願の刑事になれたのはいいが、慣れない仕事でへとへとになって暗い部屋の電気を自分で付ける。晩飯は帰り道で買ったコンビニ弁当。桃子さんの手料理が食べたいよ、、、一と唯、二人とも元気かな、、、
俺が交番勤務から念願の刑事になった時、桃子さんがサプライズで手作りケーキ作ってお祝いしてくれたなー。また食べたいな、、、桃子さんの手作りケーキ。
イチゴと桃が入った、桃子さんの特性ケーキ。意外と桃とイチゴって組み合わせないけど、桃子さん手作りのスポンジケーキと俺の為に甘さ控えめの生クリーム。ケーキ一つにしても、桃子さんの優しさが伝わってくる。
俺が悪かったんだ。自分の事ばっかりで、桃子さんの話聞こうとしないで。桃子さんは、我儘なんて一度も言わなかった。桃子さんは、いつも誰かを思って泣いたり、笑ったり、、、ちゃんと、あの時桃子さんを優先すれば、、、
桃子さんの最後の言葉を思い出した。
「ねえ、明日だけでいいから休めないかな?」
あれは桃子さんの初めての我儘だった。
桃子さんや子供達のことを思うと頬を涙が伝った。