【練習試合第一戦】白虎学園vs雷鳴轟 熊谷満 登板
マウンドでは熊谷満がピッチング練習している。
ズバァン
熊谷満
「っしゃあ!」
和泉満
「球は速いな…」
等々力学
「だけどそれにありがちなコントロールが悪いピッチャーだ」
和泉満
「今度は引きずりおろしますよ」
バッターボックスに轟が向かう。
轟誠也
「どんな2年生だろうな」
熊谷はマウンドで深呼吸する。
熊谷満
(大丈夫だ。俺はできる…)
熊谷満
「よし!」
熊谷は大きく振りかぶる。
そしてボールを放つ。
轟誠也
「!?」
轟はいきなり自分の身体スレスレに来たボールを避けた。
主審
「ボール!」
轟誠也
「あぶねぇな…」
轟は熊谷を睨みつける。
熊谷満
「すいませんね」
熊谷は若干ふてぶてしい態度で返した。
轟誠也
「!、あの野郎…」
そのふてぶてしい態度は雷鳴轟のベンチでも
友岡宗太
「なにあいつ?」
要達哉
「3年の轟さんに対して」
田渕雅也
「ムカつく野郎だな」
白学ベンチでは
藤沢学
「珍しいな。礼儀正しいアイツがあんな態度するなんて」
黒田正宏
「今まで熊谷の面倒は熊谷コーチに任せてましたが…」
前川久男
「なに吹き込んだアイツ」
前川監督は熊谷雅之を見つめる。
続く2球目も体に当たりそうな球。
轟誠也
「んやろ…」
山田信司
(かっかしてるな)
熊谷満
(なんかやだなー)
轟が怒りに燃えてるところで山田はど真ん中を要求する。
熊谷満
(はい)
熊谷は力いっぱいど真ん中に向かって投げる!
熊谷満
「ふんっ!」
轟誠也
「!!ど真ん中」
轟はフルスイングするが
ガキン
打球は鈍い音を立ててピッチャー前へ
熊谷満
「いっちょあがり!」
轟はうなだれながらベンチに戻る。
泉野翔
「どうしました?」
轟誠也
「あいつの直球、気をつけろ…」
泉野翔
「はい」
泉野はそう会釈して打席に向かった。
轟誠也
(あの速球、勇気並みだぞ…)
続く泉野も速球に手詰まり、セカンドゴロ
山田信司
(やっぱり速球でも臆することなく振るね)
泉野翔
(なんで金属で押し込まれるの?)
そして友岡勇気。
友岡勇気
「う゛」
空振り三振。
熊谷満
「っしゃ!」
黒田正宏
「この回、全部150km超えですよ…」
スピードガンを見ながら黒田は唖然とする。
前川久男
(とうとう覚醒してきたな…)
ベンチで汗を拭う熊谷を見て、前川監督はそう確信していた。
等々力学
「あの熊谷雅之の甥っ子か、固そうなフォームだが投げる球はえげつないな」
和泉満
(あいつから絶対ホームランを打つ!)
山田信司
「この4番の和泉な、ぶつけちゃっていいぞ」
熊谷満
「マジっすか!!」
平田祥二
「喜んで返事すんなよ…」




