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【練習試合第一戦】白虎学園vs雷鳴轟 頑張る1年生

白虎学園1年生の西條は内心焦っていた。


広島出身の彼は雷鳴轟ら数校から勧誘されていたが



西條悠也

「僕は関東に行きたいです!」


理由は特になかった。

「ただ広島から離れたい」その一心だった。


そしてたまたま白虎学園と東京の帝徳高校から誘いを受けたのもある。


白虎学園に決めたのは、「活躍できそうだから」


打線が売りの帝徳高校と違い、近年打力不足で悩む白虎学園の方が出番はあるのでは?


そんな安易な気持ちでの入学だった。



カキィン



この回先頭の北条が友岡勇気の速球を流し打ちした。

今、北条は絶好調である。



北条剛

(なんか最近調子が良いなぁ)


友岡勇気

(先頭出したか…)


勇気は1塁の北条を見ながら


友岡勇気

(さて、こいつか…)


雷鳴轟ナインは西條の存在を知っていた。

雷鳴轟を蹴って、千葉県の強豪に行った西條の事を



轟誠也

(こいつが西條か。体デカいな)


西條悠也

「よろしくお願いします」


泉野翔

「おぅ」


友岡勇気

(西條悠也、以前ウチに見学しにきてたな…)


勇気の第1球


真ん中低めを見逃して


主審

「ストライク!」


西條悠也

「はやっ…」


西條は泉野のグラブに収まったボールを眺める。



黒田正宏

「今の、150kmですよ」


前川久男

「最近の高校生は本当に発育がいいな…」


ピシュ


スバァン


主審

「ストライク!ツゥ!」


西條悠也

「はやいなぁ…」


西條はバットを構え直す。


泉野翔

(三球勝負。いきます!)


友岡勇気

(わかった)


勇気は1塁の北条を警戒しながら投げる。


ピシュ


西條悠也

(こうなりゃ)


コォン


泉野翔

「おっ」


西條はセーフティーバントを試みる。


友岡勇気

(忘れてた!光一並みにバントが上手いでみんな褒めたんだ!)


勇気は慌ててボールを拾い2塁に投げようとするが


泉野翔

「1つ!」


友岡勇気

「ちっ」


1塁に投げて1ナウト。

しかし北条は2塁へ


西條悠也

「最低限の仕事はした」





山田信司

「よぉし」


打席に山田信司が向かう。

先発捕手の山田、2番手捕手の松田。2人はインサイドワークやリード面では圧倒的に山田の方が上だが唯一松田が勝ってるのがある。


それは「打撃」だ。


以前の練習試合とかでも松田は大抵クリーンアップを任せられている。

今夏は外野の起用も考えられている。

それに対し山田は打撃は非凡だ。


昨年夏も打率2割前半である。

しかし盗塁阻止率は9割後半と圧倒的な数値を誇る(松田は6割)


山田信司

(前田の為にも打ちたいな…)


一死2塁


泉野翔

(ゲッツーに仕留めたいけど、ランナー2塁だもんなぁ…)


友岡勇気

(1人ずつ抑えましょう。8、9番ですし)


泉野翔

(よし、これ)


泉野がサインを出す。


ピシュ


ズバァン



低めのストレート


黒田が握ってるスピードガンには146と表示された。


黒田正宏

「やっぱり左の速球派はかっこいい」




ピシュ



山田信司

「ん?」


ズバァン


主審

「ストライク!」


山田信司

「え?」


大原克也

「信司ー!今の見逃してどうする!」


3塁コーチやってる大原が叫ぶ。


山田信司

「わりぃわりぃ」



泉野翔

(勇気、3球勝負でいこう)


友岡勇気

(おぅ)


ピシュ


山田信司

(あっ)


カギィ


主審

「ファール」


主審が両手を広げる。



山田信司

「当たった」


山田、さっきの「あっ」はあまりの速すぎたために出たのだ。


山田信司

(バットを短く持とう)


山田は拳1個分あけて持った。


山田信司

(これでなんとか)


ピシュ


カギィ


打球は3塁前に転々と転がった。


龍崎徹

「OK!」


龍崎はランニングスローをした。


バシィ


1塁審

「アウト!」


山田信司

「くっ…」


山田は1塁を駆け抜けたあと悔しがる。



前田正則

「山田先輩頼みますよ」


前田は愚痴りながら打席に入る。


前田正則

「二死2塁か…」



前田は今一度状況を確認した。


2塁上には同じ1年の北条がいる。




ブルペンでは原田と満がみている。



原田拓海

「前田ってさ、打撃の方はどうなの?」



熊谷満

「前田っすか」



泉野翔

(楽勝楽勝。簡単に抑えましょう)


友岡勇気

(そうだな)


勇気は何のためらいもなくど真ん中にボールを投げる。


熊谷満

「このまえのフリーバッティングで」



カキィン



金属バットの乾いた音が聞こえる。

打球は左中間に飛んでいき

レフト片岡のグラブをかすめた。


友岡勇気

「マジか!?」


熊谷満

「オレの速球を難なくスタンドにぶち込みましたよ」


原田拓海

「バッティング上手いのかい。バッター転向しろよ」


前田のタイムリーヒットで、白学1点先制



友岡勇気

「1年生に打たれた…」



泉野翔

「どんまいどんまい」


和泉満

「すぐ取り返すから」




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