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【練習試合第一戦】白虎学園vs雷鳴轟 2回表 前田のピッチング

2回表、雷鳴轟高校の攻撃。


前田が簡単な投球練習してるなか、3塁ベンチから1人の男が出てきた。


等々力学

「和泉、頼んだぞ」


和泉満

「任せてください」



雷鳴轟の四番和泉だ。



山田信司

(こいつが四番か…。雰囲気はあるな)



和泉満

(先制しないとな)



和泉はバットを構える。



山田信司

(前田。意識するなよ。俺のミットだけ見ろ)


山田はサインを出す。



前田は軽く頷き和泉に対して第1球


ピシュ


バシィ


主審

「ボール!」


和泉満

(インコースに来たか。だけど今のはボールだ)


和泉はインコース高めの際どい球を「ボール」と判断した。



山田信司

(やっぱり「眼が良く、ストライクとボールを見分けるのが上手い」は本当か…)


山田はボールを返しながらそう考えると


山田信司

(ならアウトローに)


ピシュ


バシィ


主審

「ストライク!」


和泉満

(今のは打ってもヒットにならないな…)


和泉はアウトローの球をそう判断した。




和泉満

(初球はインコースに2球目はアウトコースに…)


山田信司

(次は)


ピシュ


和泉満

(おっ)


カキィ



打球はバックネットに当たる。


主審

「ファール!」


和泉満

(フォークかな?)


山田信司

(高1なのに前田はパーム持ってるからな)


和泉満

(これで2ストライク1ボールか…)



前田はロジンバックを掴んで気持ちを落ち着かせる。


前田正則

(今のパームで打ち取ったつもりだったんだけどなぁ~)


前田は山田のサインを見る。


前田正則

(はいわかりました)



ピシュ



バシィ


主審

「ボール!」



和泉満

(一球外したのか?)


山田信司

(平行カウントにして…)



山田は再度サインを出す。


ピシュ



和泉満

「うっ」


カキィン



打球は3塁線を切る。


3塁審

「ファール!」



和泉満

「ふぅ…」


和泉は一回息を整える。


和泉満

(しかし、あの投手1年だよな…)


和泉は前田を見る。




まだ幼さが残る16歳はマウンド上で次投げる球種を模索していた。


和泉満

「お待たせしました」


主審

「プレイ!」


山田信司

(前田、臆せず投げろよ)


山田はあるサインを送る。


前田正則

(…はい)


ピシュ


前田正則

「あっ!」


山田信司

(甘い!すっぽ抜けたな!!)


変化球のなり損ねの球を和泉が逃すわけが無く。



カキィン




レフト平沢とセンター倉石が追う。


和泉は1塁回って2塁へ


打球はフェンスを直撃した!


2塁審

「フェア!」


2塁に到達した和泉は3塁も狙う!


倉石がクッションボールを拾い3塁に投げるが


3塁審

「セーフ」


和泉3ベースヒット


山田信司

「タイム!」


山田はタイムを取ってマウンドへ


前田正則

「すいません」


山田信司

「気にするな。実戦では始めてだったんだし」


前田正則

「はぁ」


山田信司

「まぁ後続抑えればいいんだから。切り替えていくぞ」


前田正則

「はい!わかりました!」



そして打席には5番の龍崎徹が入った。


龍崎徹

(今日は7番から5番にしてもらい、いきなりのチャンス!)


龍崎は力が入ってた。


山田信司

(スクイズは無いな)


その龍崎を見て山田はそう判断した。


ピシュ


山田信司

「おっと」


山田はホームベース手前でバウンドした球を捕球した。

一歩間違えればパスボールである。


山田信司

「リラックス!リラックス!」


前田にそう呼びかける。


前田は続くボールを外し2ボール。


山田信司

(怯えているのか?)


山田は前田の表情を見る。

前田は顔を強ばらせていた。

山田はそんな前田の顔と打席に立っている龍崎を見てある結論に至った。


山田信司

(あぁ、怯えてるのね)


前田は龍崎が出す威圧感に押されていた。


1年からベンチ入りで2年からレギュラーを張り戦国千葉で戦ってきた山田には何とも感じないがマウンド上のピッチャーはまだ経験の浅い1年生。

幾ら度胸が良くても、無死3塁のピンチでの龍崎は怖かった。


前田正則

(ヤバいな。抑えられる気がしない…)


マウンドで前田は萎縮してしまった。


山田信司

(このままじゃ被弾するな…)


山田のコンピューターは如何にしてこのあとの龍崎、轟、泉野を抑えるか動き出した。

そして前田の持ち球も確認する。


山田信司

(確か前田はパームとスライダーが投げられたはず)


山田は前田にサインする。


前田正則

(え?)


前田は一瞬そのサインを見直すが


ピシュ


投げた。


龍崎徹

(インコース!もらった!)


龍崎はバットを振りに行くが


ボールはちょっと曲がる。


龍崎徹

(なに!?)


カキ


バットの付け根に当たったボールはちょっと飛び上がり


山田信司

(OK!)


山田が難なく捕球した。


主審

「アウト!」


山田信司

「ナイスピッチ!」


前田正則

「ふぅ…」


和泉満

(何やってんだよ)


龍崎徹

(甘いところキタ!と思ったらスライダーだったよ…)


これで緊張が解れたのか前田は続く6番轟をピッチャーゴロ。


轟誠也

「っくそ!」


続く7番泉野を


カキィン


打球は三遊間抜けるかと思われたが


平田祥二

「へい!」


ズザァ


横っ飛びで平田が捕球し


3塁審

「アウト!」


泉野翔

「ああ~~」


マウンドで前田はグラブを叩く。


前田正則

「よし!」


山田信司

「ナイスピッチ!前田!」









和泉満

「手強いですね」


等々力学

「バックが強力だな」


和泉満

「次はスタンド入れてやりますよ」



熊谷雅昭

「お~正則。無死3塁から抑えた~」


中原海斗

「あの5番抑えられたのが大きいな…」




~ブルペン~



バシィ


加藤壮介

「ナイスボー!」


原田拓海

「満!4回から頼んだぞ!」


熊谷満

「任せてください!」

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