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かすりと聞いた雷鳴轟学園




球場の外で白虎ナインはバスに荷物を入れていた。


その近くでは記者に囲まれている監督と前園がいた。


記者

「前川監督。残念でしたね」


前川久男

「打てなかったのが仇になりました」


記者

「春はベスト8止まりでしたが、春とは意味合いが違う夏、夏に向けてどう戦ってゆきたいですか?」


前川久男

「まずは得点力をあげる。これに尽きます」


サラサラと記者が書いた。


記者

「昨年から得点力の無さ、主砲の不在については問題になっていましたが。金属バットを使う高校野球。なぜここまで打てないのかが不思議です」


前川久男

「何でだろうね?昨年からバッティングの時間を増やしているんだけど、全く効果が無い。秋季大会のほうがまだ打てた」


記者

「現状で4番に据えるのはやっぱり平沢ですか?」


前川久男

「これだけは言えます。夏には平田を四番にする可能性もあります。平沢より平田の方が主砲になれる」


記者

「しかし平田はシニア時代は4番でしたが、高校入学後フォームを変えて今は5番に落ち着いています。」


記者2

「ここは今年入ってくる熊谷雅昭を四番にしてみたらどうです?」


突然、横やりにしゃべった記者がいた。


前川久男

「雅昭…」


記者2

「小向原中学の熊谷雅昭。中学時代はかなりのパワーがありましたが…」


前川久男

「雅昭は部長が連れてきたので、私はあまり見ていませんが、かなりの潜在能力を秘めてると思います」


記者

「そういえば昨年かに白虎が取り損ねた投手、確か広島の友岡宗太でしたっけ?」


前川久男

「あぁいましたね…。広島工商でしたっけ?」


記者

「いいえ。雷鳴轟学園です」


前川久男

「あぁ、確か甲子園に出た」


記者2

「和泉満を筆頭とする超強力打線。その打線は石大青陵を上回ると言われてます」


前川久男

「あそこより綱陵を警戒しますね」


記者2

「なぜです?」


前川久男

「いくら打線が良かったとしてもウチみたいに投手力があるチームに抑えられたら無駄です」

記者2

「だけど昔のやまびこ打線のような事ができますよ」


やまびこ打線…かつて徳島・池田高校がやった強力打線。


前川久男

「あれはもう30年前でしょ?今は高校生とはいえ、レベルが違います」


記者

「まぁそうですね」


記者2

「ただ白虎でも雷鳴轟に勝つのは難しいじゃないですか?」


前川久男

「どうだろう?練習試合したことあまり無いからな…。したことあったっけ?」


前川監督がそう記者に問いかけると


記者3

「確か2年前のGWに雷鳴轟が遠征で来てますね。東南大藤沢とのダブルヘッダーで」


前川久男

「う~ん。そういえばそうだな」


記者3

「結果は、5ー3で白虎の勝利でした、この時の先発は前園ですよ」


前川久男

(あとで聞いてみるか…)


ちなみに前園も記者に囲まれてインタビューを受けていた。



前園裕也

「はいそうです。9回は敬遠する事を考えてませんでした」




前川監督

「それじゃ出発するのでこれくらいで」


記者

「はい。ありがとうございました。」


記者2

「夏、頑張ってください」


記者3

「それでは」


前川監督はバスに乗り込んだ。




車中で前川監督は前園を呼んだ。


前園裕也

「広島の雷鳴轟学園ですか?」



前川久男

「あぁ記者が前園と戦ったことがあると言ってたんだが、覚えないか?」


前園裕也

「高1のGWで戦った相手は確か雷鳴轟でしたよ」


前川久男

「どんな高校だったか覚えてるか?」


前園裕也

「そうですね…」


前園は少し間を置いたあと


前園裕也

「確かそれなりに強い高校だと思いましたよ。初回に3点取られましたし」


前川久男

「でもウチは5点とってる」


前園裕也

「終盤で相手のエラー絡みですよ。その試合逆転したのは確か」


前川久男

「そうだっけ?」


前園裕也

「それで確か佐々木先輩が最後を締めました」


前川久男

「佐々木か…。千葉の若辺俊太に引けをとらないアンダスローだったな」


前園裕也

「それで監督。なぜ雷鳴轟学園を?」


前川久男

「ちょっとな…」









松田信夫

「なぁ満。なんで監督と前園先輩が喋っているんだ?」


熊谷満

「しらね。今日の反省じゃない?」


松田信夫

「素っ気ないな」


熊谷満

「あぁ、どうしたらコントロールがつくんだ…」


藤沢明

「今日帰ったら即ブルペン入りしろ、今日の反省及び、熊谷の特訓だ」


熊谷満

「はい!」


山田信司

「松田はまたノックからな。いくら打ててもワンバウンドの球を捕れないようじゃ話にならん」


松田信夫

「は、はい!」


佐々木和也

「どうもはじめまして、白虎学園OBの佐々木和也です。今は暴政大学で野球やってます。地表7cmから投げ込むアンダスローから投じるスローカーブを武器に高校ではエースでした。たまに登場するのでよろしく」


見てのとおりこいつのモデルは千葉ロッテの渡辺俊介。


熊谷満はYouTubeで見た2000年頃の阪神の福原忍をイメージしてます。

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