対三階堂戦 ２番からの好打順
アナウンス
「３回裏、三階堂高校の攻撃は、２番、レフト、宮坂君」
宮坂真
「どうも」
熊谷満
「うすっ」
ピシュ
カキィン
熊谷満
「あっ」
打球は１、２塁間を
バシィ
松原正樹
「っしゃあ！」
茨木塁審
「アウト！」
松原が飛び込んでキャッチ！
ユニフォームの左部分が土で汚れた。
松原はそれを簡単に払いつつ
松原正樹
「１ナウト１ナウト！」
熊谷満
「ありがとう松原！」
熊谷は松原の守備の上手さを知っていた。
なんせ松原とは小学校、中学校、高校は全部一緒の幼なじみだった。
アナウンス
「３番、ピッチャー、三谷君」
三谷昇
「ちょっとはコントロールが良くなった？」
山田信司
「それはどうかな？」
松本主審
「フォアボール！」
三谷昇
「なんだよ結局これかよ！」
山田信司
「そうだよ」
アナウンス
「４番、サード、中田君」
中田翔平
「今度はちゃんと勝負してくれよ」
山田信司
「そう願うよ」
ピシュ
中田翔平
「！？」
ズバァン
松本主審
「ボール！」
顔面ギリギリに入った。
中田翔平
「んやろっ」
中田は熊谷を睨みつける。
熊谷満
「すいません」
熊谷は軽く会釈した。
中田翔平
「ったく…」
熊谷は続く２球目も外角へ大きく外れるボールを投げた。
松本主審
「ボールツゥ！」
バシィ
バシィ
ブルペンで前園が投げてるのが目に入る。
熊谷満
（前園先輩投げてるよ…。）
中田に向かって３球目！
ピシュ
中田翔平
「おっ！」
山田信司
「マズい！」
カキィン
中田翔平
「………………」
打球はレフト方向へグングン伸びてゆく。
パス
桂木塁審
「アウト！」
山田信司
「ええ？」
しかし結果はレフトフライ。
熊谷満
「なんかよかった～」
打たれたと思った熊谷も胸をなで下ろす。
中田はベンチへ戻る。
代田竜司
「ドンマイ！たまたまだ！たまたま！」
鎌田裕次郎
「しっかり当たってたから次は場外いける！」
中田翔平
（違うんだ。完璧に捉えていたのに…）
なんとか５番谷本を抑えてチェンジ。
黒田正宏
「３回で５四球か…」
