ライストーン・オンライン
お久しぶりです。 AKUEです。
読んでくれた方々、お気に入り登録してくれた方々、本当にありがとう御座います。
いきなりですが、5月末から10日ほど海外出張行く事になりました。
でも来週分を早めに投稿して、再来週分を予約投稿していきます!
あと、今回の投稿は3回の書き直しをした結果、文字数が少なめになりました。 ごめんなさい。
では、楽しんで頂けると嬉しいです。
バーチャルリアリティ・仮想現実……
20世紀後半では夢の技術と言われたが、200年近く経った2191年では誰でもが恩恵を受けられる技術となっていた。
それはSVETというサークレット型のVRPC(バーチャルリアリティ対応コンピュータ)のおかげだ。
SVET――体性感覚型仮想現実環境技術(Somesthesia type Virtual reality Environment Technology)――は、2176年にブレイン・エレメント社から発表された仮想現実技術で、180年近く研究されてきた夢の技術を一気に実用領域まで押上げた技術だ。
SVETの特徴は、脳へのアクセスを電気信号ではなく【素粒子インターフェース】という新しい概念を使用した事だ。 その結果、従来の研究・試作品では必須事項だった外科手術を必要とせず、脳が持つ全情報へのアクセスとその膨大な情報を処理する高性能を発揮した。
ただし【素粒子インターフェース】に関する技術はブラックボックス化されたため、ハードウェアの市場はブレイン・エレメント社の独占状態となった。 その代わりに、自由に開発が行えるソフトウェアの開発競争が激化し多くのソフト・サービスが発売されていった。
その中、2182年に元ブレイン・エレメント社の技術者が起業したファーマス社から、初の完全五感を実現したVRMMORPGとしてライストーン・オンラインが発表された。
ライストーン・オンラインは2183年からクローズβを2年、オープンβを1年行い2186年に一般サービスを開始した。 しかし、開発段階で精巧すぎる五感情報が肉体に影響を及ぼす事が判明し、一般サービス時には味覚、嗅覚、痛覚や体感温度などがカットされる事となった。
売りだった五感情報をカットした代わりに、ファーマス社はそれ以外の要素でリアリティを追及した。
有名なところはキャラアバター、NPC、モンスターなどの表情、AI、モーションパターンの造りこみをした事で、その造りこみ具合があまりにも精巧すぎてNPCに恋をする者が出るほどだった。
そして、その追求がMAPの移動まで及んでしまったのは、ほんの些細な不幸事なのだろう……
◇◆◇◆◇◆◇◆
走り続けていた俺は、30分ほど前に小川を見つけたので休憩をかねてほとりを歩いている。
マイラット城下町までは残り5Kmってところだ。
「はぁ~」
さすがに歩くのも飽きてきた俺は偽物の空を見上げて盛大に溜息をついた。
その時、突如「ピン!」と頭の中に電子音が響いた。
次回に続く。