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世界に観測されていた俺たち、最強の影がその仕組みごと壊しました  作者: 慈架太子


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第5話:エルザ加入

第5話:誇り高き騎士は膝をつく


森のさらに奥――


空気は、重く濁っていた。


「……ここ、さっきよりヤバいわよ」


ヴァレリアが周囲を見回す。


「商人の勘だけど……命の保証ない場所」


「いいな」


レオンは軽く言った。


「よくないでしょ!!」


セレスが即ツッコミを入れる。


だが、その時。


キィン――!!


金属がぶつかる音。


遠くから響く。


「……戦ってる?」


ヴァレリアが呟く。


レオンはすでに動いていた。


「行くぞ」


三人は駆ける。


開けた場所に出た瞬間。


光景が広がる。


一人の女騎士。


銀の鎧。


長剣。


そして――


囲まれている。


アンデッドの群れ。


数十。


いや、それ以上。


「はあっ!!」


女騎士が剣を振るう。


技は鋭い。


無駄がない。


明らかに“強者”。


だが――


「効いてない……!」


セレスが叫ぶ。


剣が通っても。


斬れても。


“倒せていない”。


アンデッドは、止まらない。


「くっ……!」


女騎士の動きが鈍る。


疲労。


消耗。


このままでは――


「レオン!!」


「任せろ」


一歩前に出る。


「まとめてやる」


魔力を収束。


「ホーリーバレット」


連射。


バンッ!!バンッ!!バンッ!!


光の弾丸が、次々とアンデッドを貫く。


触れた瞬間、消滅。


数秒。


戦場が、静まり返った。


「……な……」


女騎士が、固まる。


「……終わりだ」


レオンが言う。


その一言で、戦いは完全に終わった。


沈黙。


「……ありえない」


女騎士が呟く。


ゆっくりと、レオンを見る。


「私の剣が……通じなかった……」


その声には、悔しさが滲んでいた。


レオンは答える。


「相手が悪い」


「……何?」


「アンデッドだ。普通の剣じゃ意味がない」


女騎士の目が揺れる。


「……相性……」


「お前は弱くない」


レオンは続ける。


「ただ、相手が悪かっただけだ」


沈黙。


そして――


「……そうか」


女騎士は剣を下ろす。


「……私は、負けたわけじゃないのか」


「負けてたけどな」


「ちょっと!!」


セレスが即ツッコミ。


女騎士は一瞬だけ固まり――


「……ふっ」


笑った。


「面白い男ね」


そして、膝をつく。


「私はエルザ」


「騎士だ」


真っ直ぐに、頭を下げる。


「命を救われた恩、忘れない」


レオンは少しだけ困った顔をする。


「やめろ」


「……?」


「仲間だろ」


その一言。


エルザの表情が、止まる。


「……仲間……?」


「そうだ」


当たり前のように言う。


セレスとヴァレリアが、横でニヤニヤしている。


「ほら、来た」


「落ちたわね」


「……なんの話だ?」


エルザは少しだけ俯き――


そして、顔を上げた。


「……なら、共に戦わせてくれ」


「いいぞ」


即答。


「……軽いな」


「ダメか?」


「いや」


エルザは微かに笑う。


「望むところだ」


こうして――


パーティは、四人になった。


その夜


焚き火を囲む四人。


「で、これからどうするの?」


ヴァレリアが聞く。


「鍛える」


レオンは即答した。


「まずはお前ら、近接できるようになれ」


「え?」


「は?」


「……は?」


三人同時に固まる。


「魔法だけじゃ限界ある」


レオンは剣を持ち上げる。


「剣に魔力を流せ」


「いや、そんな簡単に――」


「こうだ」


実演。


剣が光る。


「……できるか?」


セレスが挑戦。


「……っ」


魔力を流す。


刃が、淡く光る。


「……できた……」


「次」


ヴァレリア。


「……うそ……」


成功。


「次」


エルザ。


一瞬で成功。


「……これは……」


エルザの目が見開かれる。


「剣が、軽い……!」


「威力も上がる」


レオンは頷く。


「これが基本だ」


その瞬間。


三人の“戦い方”が変わった。

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