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世界に観測されていた俺たち、最強の影がその仕組みごと壊しました  作者: 慈架太子


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第44話:終わりと、その先

第44話:終わりと、その先


外の空間。


静寂。


だが。


“揺れている”。


ミレイユが言う。


「……反応、増大」


セレス。


「来る……」


エルザ。


「今度が本体だな」


ヴァレリア。


「やっと本気ね」


レオンは前を見る。


その隣。


シオンが並ぶ。


距離は近い。


自然に。


空間が、裂ける。


今度は隠さない。


巨大な歪み。


そこから。


“それ”が降りる。


完全な形。


曖昧さはない。


存在が、固定されている。


圧。


重い。


だが。


レオンは動かない。


シオンも、動じない。


「……最終確認」


“それ”が言う。


「排除を完了する」


同時に。


世界が歪む。


全方向からの干渉。


逃げ場はない。


ミレイユ。


「……来る」


セレス。


「全部同時……!」


エルザ。


「範囲が広すぎる」


ヴァレリア。


「逃げ場なしね」


その瞬間。


シオンが前へ出る。


レオンの前。


振り返る。


「少しだけ」


レオンは頷く。


「任せる」


それだけ。


シオンは微笑む。


「ありがとうございます」


影が広がる。


だが。


今度は違う。


“世界ごと”。


覆う。


ミレイユ。


「……全部、取る気?」


セレス。


「スケールが……」


エルザ。


「やるつもりだな」


ヴァレリア。


「好きよ、そういうの」


“それ”が動く。


干渉。


全てを潰す圧。


だが。


止まる。


影が。


受け止めている。


完全ではない。


だが。


崩れない。


シオンが言う。


「……見えています」


一歩。


踏み込む。


影が深くなる。


「あなたの“構造”」


“それ”が揺れる。


「……解析不能」


シオンは首を傾ける。


「いえ」


一歩。


さらに。


「単純です」


影が“入る”。


内部へ。


ミレイユ。


「……侵入してる」


セレス。


「中に……」


エルザ。


「勝負を決めに行ったな」


ヴァレリア。


「いいわね、それ」


“それ”が動く。


拒絶。


排除。


だが。


遅い。


シオンの声。


静かに。


「整えます」


その瞬間。


“それ”が、止まる。


完全に。


沈黙。


そして。


崩れる。


内側から。


静かに。


消えていく。


「……異常」


最後の声。


「観測――」


途切れる。


消滅。


完全に。


静寂。


ミレイユ。


「……終わった」


セレス。


「本体……消えた」


エルザ。


「完全撃破だな」


ヴァレリア。


「やるじゃない」


シオンは立っている。


少しだけ。


息が乱れている。


だが。


崩れない。


レオンが近づく。


「どうだ」


シオンは顔を上げる。


「……問題ありません」


そして。


少しだけ。


柔らかく。


「終わりました」


レオンは頷く。


「そうか」


それだけ。


だが。


シオンは、はっきりと笑う。


満足そうに。


白銀と影。


並ぶ。


外の空間。


もう、揺れない。


“観測”は消えた。


世界は。


自由になった。


エピローグ:その後


白銀の都市。


人が戻る。


世界は変わらない。


だが。


“見られていない”。


ミレイユ。


「……完全に切れた」


セレス。


「安定してる」


エルザ。


「問題なし」


ヴァレリア。


「いい結果ね」


レオンはいつもの場所にいる。


その横。


シオンが立つ。


自然に。


少しだけ近い。


「……終わりましたね」


レオン。


「ああ」


短い。


シオンは少しだけ考える。


そして。


「では」


一歩。


さらに近づく。


「このまま、お側にいてもよろしいでしょうか」


静かに。


だが。


はっきりと。


レオンは一瞬だけ見る。


そして。


「好きにしろ」


いつも通り。


だが。


拒まない。


シオンは微笑む。


「ありがとうございます」


その距離。


もう、離れない。


遠く。


かつて敵だったもの。


すべて消えた。


世界は静かだ。


そして。


レオンの隣には。


必ず。


シオンがいる。


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