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世界に観測されていた俺たち、最強の影がその仕組みごと壊しました  作者: 慈架太子


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第41話:観測を壊す

第41話:観測を壊す


夜は、静かだった。


だが。


世界はもう“見られている”。


ミレイユが地面に展開を広げる。


「……観測の流れ、拾えた」


光の線が空間に浮かぶ。


セレスがそれを見る。


「……これ、全部繋がってるのね」


エルザ。


「どこから見ているか、分かるのか」


ミレイユ。


「大体は」


ヴァレリアが笑う。


「便利ね、それ」


レオンは短く言う。


「で?」


ミレイユ。


「集中点がある」


一箇所。


強く光る。


「ここ」


シオンがそれを見る。


静かに頷く。


「……中継点ですね」


セレス。


「本体じゃないの?」


シオン。


「いいえ」


「ですが」


一拍。


「ここを崩せば、視界が乱れます」


エルザ。


「目を潰す、か」


ヴァレリア。


「いいじゃない」


レオン。


「やるか」


それだけ。


決まる。


シオンが一歩前へ出る。


「では」


「私が先に触れます」


ミレイユ。


「危険よ」


シオンは振り返る。


「問題ありません」


柔らかく。


だが、確信している。


レオンは短く言う。


「行け」


それだけ。


シオンは、わずかに目を細める。


嬉しそうに。


「……はい」


影が広がる。


だが今回は違う。


“細い”


糸のように。


一直線に伸びる。


空へ。


そして。


“繋がる”


ミレイユ。


「……当たった」


セレス。


「反応ある」


エルザ。


「来るな」


次の瞬間。


空間が歪む。


防御。


ではない。


“修正”。


シオンの影が、弾かれる。


だが。


切れない。


シオンは静かに言う。


「……見つけました」


一歩。


踏み込む。


影が深くなる。


繋がりが太くなる。


その瞬間。


全員の視界が揺れる。


景色が二重になる。


ミレイユ。


「……観測、ズレてる」


セレス。


「世界が……ブレてる」


エルザ。


「感覚が狂うな」


ヴァレリア。


「いいわね、それ」


空の向こう。


“何か”が反応する。


「……干渉確認」


声。


前と同じ。


だが、焦りがある。


シオンは微笑む。


「少し、借りますね」


影がさらに伸びる。


そのまま。


“食い込む”。


ミレイユ。


「……侵入した」


セレス。


「中に……入った……?」


その瞬間。


ドンッ


強い圧。


逆流。


シオンの影が揺れる。


初めて。


「……っ」


わずかに。


だが。


崩れない。


レオンが一歩前へ出る。


その瞬間。


白銀の魔力が広がる。


支える。


シオンの影を。


安定する。


シオンが目を開く。


わずかに。


驚く。


そして。


柔らかく笑う。


「……助かります」


レオン。


「気にするな」


短い。


だが。


完全に噛み合う。


影が再び伸びる。


今度は。


止まらない。


貫く。


“向こう側”へ。


その瞬間。


空が、歪む。


観測が乱れる。


世界が、揺れる。


ミレイユ。


「……見えなくなってる」


セレス。


「観測、切れてる……!」


エルザ。


「成功か」


ヴァレリア。


「やるじゃない」


シオンは静かに手を下ろす。


影が戻る。


世界が、元に戻る。


だが。


確実に変わった。


ミレイユ。


「……一部、見られてない」


セレス。


「死角ができた」


エルザ。


「戦えるな」


ヴァレリア。


「面白くなってきた」


シオンは振り返る。


レオンを見る。


少しだけ、近い。


「……どうでしょう」


「使えますか」


その声音。


少しだけ。


個人的。


レオンは頷く。


「いいな」


それだけ。


シオンは微笑む。


「では――」


一歩。


さらに近づく。


「このまま、進めます」


距離。


ほんの少し。


近い。


だが自然。


レオンはそのまま。


「任せる」


変わらない。


だが。


シオンは、満足そうに目を細める。


白銀と影。


今度は。


“外”へ向かう。

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