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世界に観測されていた俺たち、最強の影がその仕組みごと壊しました  作者: 慈架太子


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第4話:効率という武器

第4話:光は死を許さない


森の奥は――静かすぎた。


「……嫌な感じ」


セレスが足を止める。


「魔物の気配がない」


「いや、いる」


レオンは前を見たまま言った。


「ただ“生きてない”だけだ」


その瞬間。


空気が変わる。


冷たい。


重い。


腐ったような気配。


ガサッ……


影が、動く。


「……アンデッド……!」


セレスの声が低くなる。


骨だけの魔物。

腐敗した肉体。

空洞の目。


「数が多い……!」


森の奥から、次々と現れる。


十体。

二十体。

――まだ増える。


「どうする?」


セレスが構える。


だが、その声にはわずかな緊張が混じっていた。


「試すか」


レオンは前に出る。


「何を?」


「光魔法」


その一言で、空気が変わる。


アンデッドが一斉に襲いかかる。


速い。


生者よりも、速い。


「レオン!!」


だが。


レオンは、動かない。


「……来い」


その手に、光が集まる。


今までとは違う。


優しいだけじゃない。


“拒絶する光”。


「ヒール……じゃないな」


圧縮。


収束。


変質。


「……これだ」


放つ。


ドォンッ!!


光が、爆ぜた。


触れた瞬間。


アンデッドが、消滅する。


燃えるのではない。


砕けるのでもない。


“存在ごと浄化された”。


「……なに、これ……」


セレスの声が震える。


「効くな」


レオンは冷静だった。


残りのアンデッドが、怯む。


だが、止まらない。


数で押し潰そうとする。


「なら――」


レオンはさらに魔力を込める。


「さっきの応用だ」


圧縮した光。


それを――弾にする。


「ホーリー……バレット」


連射。


バンッ!!バンッ!!バンッ!!


光の弾丸が、次々とアンデッドを貫く。


当たった瞬間、消滅。


触れただけで、終わる。


「……嘘……」


セレスは完全に言葉を失った。


(アンデッド特効……?)


(いや、それ以上……)


「これならいけるな」


レオンは淡々と撃ち続ける。


数十体のアンデッドが――


数秒で消えた。


静寂。


「……終わり?」


セレスが呟く。


「いや」


レオンの視線が奥を捉える。


重い足音。


ズン……ズン……


現れたのは――


巨体のアンデッド。


鎧をまとった騎士。


「……デスナイト……!」


セレスの顔色が変わる。


「危険個体よ!!普通はパーティーで――」


「ちょうどいい」


レオンは前に出る。


デスナイトが剣を振るう。


重い一撃。


空気が裂ける。


レオンはそれを――受けた。


ガキンッ!!


衝撃。


地面が割れる。


「……重いな」


だが、止まらない。


「なら――」


身体に魔力を流す。


加速。


強化。


「……いける」


踏み込み。


剣に光を纏わせる。


一閃。


鎧ごと――斬り裂いた。


デスナイトが崩れる。


そして――


光に包まれ、消えた。


「……勝った……?」


セレスは呆然と呟く。


「余裕だな」


その一言で、全てが崩れた。


「余裕じゃないわよ!!普通は死ぬのよ!!」


レオンは首をかしげる。


「そうなのか?」


「そうなのよ!!」


その時だった。


「……助けて……」


か細い声。


二人は同時に振り向く。


草むらの奥。


血だらけの女性。


「……生きてる!」


レオンは駆け寄る。


「しっかりしろ」


手をかざす。


「ヒール」


光が包む。


傷が、塞がる。


女性の呼吸が安定する。


ゆっくりと目を開ける。


「……ここは……?」


「森だ。助けた」


女性は、ぼんやりとレオンを見る。


そして――


「……あなたが……?」


「そうだ」


その瞬間。


女性の目が、大きく揺れた。


「……ありえない……」


彼女は震える声で言う。


「その魔力……」


ゆっくりと、起き上がる。


「私はヴァレリア。商人よ」


そして――


レオンの手を、両手で握った。


「お願い」


真っ直ぐに見つめる。


「私も、あなたの仲間にして」


セレスが横で小さく呟く。


「……また増えた……」


だが、その顔は――


どこか嬉しそうだった。


レオンは答える。


「いいぞ」


また一人。


“落ちた”。

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